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モロク―2―

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毎夜、夢を見る。

桜色の服をまとった女の子が、泣きながら「会いたいよぅ」と手を伸ばすのだ。


桜の花びらがくるくるくるくる

色んな色の花びらが


くるくるくるくる

バサァーッ


手が差し伸べられる

小さな

白い手。


ぼーっとたたずんで

スッと その手は消える。

タタタッ


花びらの向こうに走り寄る。


くるくるくるくる


花びらが狂ったように舞っている。


桜色の少女がこちらを・・・

いや、顔が良く見えない。




あっ!


手を伸ばした所で


ハッと目が覚める。


クライヴはむくりと起きた。

時計を見ると3時前。

いつもの時間だ。


ベッドから体を滑らせる。


ハッシシ・・・嫌いだったけど、、吸うか?


そんなことを考えながら窓辺の方に行ってみる。


眼下を見下ろすと、、酒場の方の明かりはぽつりぽつりとついているものの、
ほとんどが真っ暗闇だ。


眠れねぇよ毎晩毎晩・・・


そんなことをぼんやりと考えながらフーッと息を吐いた。


あの子は誰なんだろう。

妙に懐かしい感じがした。

そして誰かに似ている。

一体誰に?


毎晩その子を夢に見る度、むしょうに会いたくなった。


恋愛感情ではなく、もっと不思議な近しい感情である。


あの子の涙を見ていると、会ってあげないと可哀想で可哀想で仕方なくなるのだ。

会ってあげたい。


「君は・・・誰だ・・・」


ぼんやりとつぶやく。



「嗚呼」


思い出した。


あの子の金髪。


「母さん・・・」



母親の近縁の者なのか・・・?



ごそごそと、戸棚から義父からもらったハッシシを取り出すクライヴ。


「うぐっ、、ごほっ。ごほっ。ごほごほっ」


生まれて初めてのハッシシは苦くて肺に来た。


 

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