現代ファンタジーのオンライン小説 - ものもの

むかし

RO小説本編の目次 > 2つ前の目次
 

場所はフェイヨン(山岳の都市)から遠く離れた森の中。


レンレンとアルフォンスは腰を下ろしていた。

アルフォンス「材料仕込みはこれで完了だな。
ここでしか手に入らないものがあるから面倒だな」

毎回毎回。


レンレン「でぇ、またモスコビアに行くんだよね」


ため息をついてアルフォンスが頷く。


ふと、思い出したように


アルフォンス「レンレン、君、いつも俺と一緒にいるが、
親とか心配しないのか?」

と聞いた。

レンレンがむす〜っとした顔でアルフォンスを見る。


アルフォンス「いやっ、ちっちゃい子扱いしてる訳じゃなくて・・・」


じっと見た後に、レンレンは体育座りをして言った。


レンレン「パパはいっつもどこか行っちゃってるし、私のこと心配してないみたいだし、、
お兄ちゃんは連隊連隊でいつも家にいないし、ママは、、あるところに療養してるし・・・」


アルフォンス「へぇ」


レンレン「みんな、それぞれ忙しい感じよ。心配なんて誰もしてないの」


つまらなそうにレンレンは言った。


アルフォンス「で、、俺の元にいる訳か」

君、ホワイトスミスマニア?(過去参照)だしね。


レンレンはまたムスッと睨んだ。


レンレン「悪いのぉ〜?じゃ、離れようかな。他のホワイトスミス探そっかなぁ〜」


アルフォンスは笑って言う。

「出来るのか?」


レンレンは口をへの字に曲げた。


レンレン「なによう。自惚れないで! 自惚れ屋さんはだ〜い嫌いよ!」


フンッ!

とそっぽを向く。


まぁ、この子と居ると退屈しなそうだな


アルフォンスは苦笑しながら思った。


---------------------------------------------------


昼食のサンドウィッチをもさもさ食べながらレンレンが聞いた。


レンレン「アルフォンスは?待ってる人とかいないの?」


ふと動きが止まるアルフォンス。


アルフォンス「・・・仲間なら昔いたが・・・」


レンレン「へぇ〜、・・・どうして離れちゃったのぉ?」


アルフォンスは目をつぶる。


アルフォンス「流行り病でな」


あっら、、、


レンレン「そっかぁ・・・」


しばし沈黙が続く。


アルフォンス「それで一時期荒れてな、、
俺昔アサシンだったことがあったんだよ」

(※アサシン=暗殺者職)


レンレン「!!」

驚くレンレン。


アルフォンス「戦友であり、、親友であり、、そんな人間だったからかな。
こたえたっていうかな」


レンレン「すごーい大切な人だったのね。兄弟?」


アルフォンスは頭を振った。


アルフォンス「俺、孤児なんだよ。兄弟なんていない」

レンレン「・・・じゃあ なおのこと、大切だったのね」


昔を思い出したのか?
少しうつむくアルフォンス。


レンレン「でも、そこまで大切な人が出来るのって、・・・幸せなことだわ」


アルフォンス「恋人だったしな」


驚くレンレン。


レンレン「ホーモー??」

アルフォンス「ち、違う! っていうか声でかい!!」


レンレン「何だ、つまんない」

レンレンは内なる感情をしまい込んでおちゃらけた。



アルベルタ(港の都市)の小さな一角に一緒に住んでてね、
あー懐かしいな。


空を見上げながら話すアルフォンス。


レンレン「一緒に住んでたんだ。恋人っていうより夫婦?」

アルフォンス「まぁな。そうかな・・・。体の関係もあったしな」

レンレン「っかっ!!」


聞き慣れない言葉にのけぞるレンレン。


横目で笑ってレンレンを見るアルフォンスに向かってスッと背筋を伸ばして座りなおして聞く。


レンレン「その人のこと、まだ好きなの?」


アルフォンス「いや、、もう過去だしな。確かに一時期荒れたけど・・・」



しばらく黙るレンレンにアルフォンスが言う。


アルフォンス「結構、人って色々あるだろ」


レンレン「うん・・・」



下を向いてうつむいているレンレンにアルフォンスは言った。


アルフォンス「君も、これからどんどん色々あるよ。きっと
まだ10歳だろ?楽しいことがいっぱいさ」


きっ!とレンレンが口をヘの字にして睨む。


レンレン「あたし、、宿命で、、10歳以上、成長出来ない体なの!
だから、、本当は10年生きている訳じゃなくて、、」


アルフォンス「ええぇぇっ?」

今度はアルフォンスが驚く番であった。


レンレン「うーん、、、たぶん14年、、いや、12年?くらい生きてるの」


アルフォンス「・・・驚いた。本当か?」

信じられない。


アルフォンス「(そういえば)」


大陸内に、、「永遠に歳を取らないソウルリンカー」なる人物がいる、、という噂を聞いたことがある。


あっ と思うアルフォンス。


アルフォンス「(この子がその人物っ・・・)」


確かに「超常現象を操る」とも聞いた。


アルフォンス「(何故今まで気付かなかったんだろう)」


まさかこんな子供が、だなんて予測出来ないし。


アルフォンス「(そ、そうだったのか・・・)」



レンレン「何でも、、前世に悪いことしたらしいのよ」

フーッとたるそうにため息を吐くレンレン。


ぜ、前世?


アルフォンス「悪いこと・・・」


レンレンは草むらに脚をばさっと広げた。


「うん」


それ以上は何も言わなかった。


少しの沈黙の後、、、


アルフォンス「レンレン」


ん?


突然の呼び掛け。


レンレンはアルフォンスの方を見た。


アルフォンス「ずっと、一緒にいよう」


え?

何言ってるの?


目をぱちくりするレンレン。


「僕はきっとブラックジャックで、君はピノコなんだよ」


「ピノコ・・・」


手塚治虫の「ブラックジャック」を思い出す。

(何故それがこの世界に流通しているのだろう)


ふたりはずっと一緒だろ?


ピノコは、、きっとずっと歳を取らない。

そしてブラックジャックはそんな彼女といつも一緒だ。



優しくレンレンを見る。


「そんなふたりみたいに、なろう」



突然の穏やかで包み込むような言葉に、戸惑うレンレン。


パッとアルフォンスから目を離して、少し経った後、


レンレン「い、いいわよ、、」


と言った。



いつの間にか夕闇の時刻になっている。


リーンリーン

鈴虫が鳴っていた。

本来ならうすら寒いはずが、涼しい風が吹いていた。


 

BACK「モロク―1―」  NEXT「砂嵐」