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「わぁ、まただよ、ワンちゃん」

「狼だろ。しっかし暑いな」


レンレンとアルフォンスはモロクに向かっている途中であった。


デザートウルフに夢中になっているレンレンと、何故か親ウルフに嫌われてウーッと うなられているアルフォンス。


「俺大抵動物に嫌われるんだよな」


「きっと心が汚いのよ」

「おい;」


舞う砂嵐。


汗をぬぐいながら、


「こんなことなら、どこかでワープポータル(ワープ出来る空間を生み出す魔法。聖職者が持っている)、モロクへの、、頼めば良かったな」

アルフォンスが後悔していると

レンレンがデザートウルフの子供をするりっと肩に乗せて遊んでいるのを見た。


「おまえ動物に好かれるな。何かあるんだろうか」


アルフォンスが首が傾げていると、


「アーロン皇帝陛下を拒んだ代わりに、、得た能力なのよ」

なお、嬉しそうに、ウルフとじゃれあっている。


「アーロン・・・」


突然出された名前。

現在のルーンミッドガッツ王朝の2つ前の王朝の王、、称号は皇帝、、の名前である。


アルフォンス「アーロン皇帝、って、、前世の記憶か?」


レンレンはちょっと切なそうに、でも唇をとがらせながら答えた。


レンレン「うん。・・・あたし、、アーロン皇帝陛下の妾になるはずだったの。
でもやだ!!って拒み通したから、、処刑されちゃってさぁ」


目を見開くアルフォンス。


アルフォンス「な、何だって?」


レンレンがアルフォンスの方を向く。

レンレン「妾になるはずだったの。
でも拒んだの。
拒みまくったら 処刑・・・」


うっわ

ヘヴィ〜ッ!!



こんな子供が!

妾とか処刑とか



アルフォンス「(意味分からん・・・)」


でも動物と戯れることが出来るって?

アルフォンス「(どう繋がるんだ)」


「処刑される時に、「動物と遊ぶ能力が欲しいです」とでも言ったのか?」

何だか真面目に聞いてしまう。


レンレン「違うー。

んーと パンテストたちがそういう祝福を掛けてくれたの」


アルフォンス「パンテ・・・」


本でしか読んだことのない、大昔にあったとされる、幻の職業。


パンテスト=パンテオンプリースト


アルフォンス「(確か、アークビショップの二段上の職業だったはず)」

参照

聖職者の最上位(元々の)と言えよう。



パンテストたちが、気の毒に思って能力を、、

それが現在の彼女に繋がってるのかな?


良く分からないなー

首を傾げていると


レンレンは両手を後ろに組んで下を向きながら


「好きな人がいたのよね。
銀髪の、長い髪した人だった」


と少したるそうに言った。



しばらくの沈黙



もしも仮に、この子の言うように前世でアーロンに処刑された、として・・・

好きな人がいたから拒んだ上でのことだった、、と。


アルフォンス「(駄目だ どうしても、、想像出来ない)」


目の前にいるのはどう考えても こまっしゃくれた10歳の少女である。


「(前世より今だろ!)」

と思ったが、


何となく哀愁が漂うレンレンの後ろ姿を見て、、


アルフォンス「にわかに信じられないが、、その話が仮に本当だとして、、

あのアーロンのことだ。
権力者のプライドというものは恐ろしいものだな」

と一応彼なりに慰め?てみた。


レンレンは引き続きたるそうに言う。


レンレン「いいの。アーロンは今、地界だもの。
ざまをみって感じだもーん」


んー


アルフォンスはしばらく黙っていたが


レンレン

と彼女の名前を呼んだ。


ん〜?


レンレンが振り向く。


アルフォンス「前世の記憶なんて忘れろ」


「・・・・・・」


何 突然真面目モード?

戸惑うレンレン。


くるっと 背を向けて、

てくてくと早足で歩き出してしまった。


「・・・・・・」

黙って後を付いていくアルフォンス。


「(何故俺は彼女の前に進んでいけないんだ?)」


少しの疑問を感じる。


・・・


近づけないオーラというか


近づいてはいけないオーラというか


何か、そういうのを感じる。


レンレン


アルフォンスは一瞬目をつぶった。



「君は・・・」


ん? とレンレンが振り返る。


まるで彼の言葉をずっと待っていたかのように。


「過去と共に、、生きているように見える」


しばらく黙っていたレンレンだったが、


あっ いけない いけない


カシャッ


彼女は日焼け止めを取り出し、こしこし塗りだした。



「(さっき、、1時間前に塗りたくっていたばかりなのに・・・)」



塗っている姿を見ながら、


太陽のようだ、と思った。


太陽のような少女、レンレン。



塗っているのは、太陽をさえぎるための、日焼け止めなのに。


アルフォンス「(太陽には誰も勝てない)」


近づけないオーラはきっと 太陽だからだ



あたし、、アーロン皇帝陛下の妾になるはずだったの。
でもやだ!!って拒み通したから、、処刑されちゃってさぁ



・・・君なら、力づくでも手に入れたいって、

男なら思うかもな


少し笑いながらも、 「あちぃ、、、」


砂漠の暑さと熱さに、気分が朦朧としてくるアルフォンスであった。


 

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