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バーナード

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気が付くとそこは違う部屋だった。

あまりの現実離れにごろーん・・・と床に転がるエメライン。

しばらくして、ガバッと立ち上がり、

屋敷中を駆け回った。



どこも知らない部屋。

不安が一気に募る。


そして或る部屋に入った時に人間を見つけた。


ふい、と振り返るその人物。



あ、、一度確かこの人・・・?



「私を・・・覚えてる?」

その人物は言った。



確か・・・狩りの時に人数合わせで一緒したことがあった人・・・。

「覚えているような覚えていないような」

曖昧な言葉で返すエメライン。


彼は優雅にアール・グレイを飲んでいた。

アール・グレイの上品な香りが部屋を包む。



「君は・・・度重なる疲労で精神的に疲れ、今は高い塔で療養中だとか」


何でそんなことこの人が知っているのだろう。
一回ぐらいしか会ったことがないこの人が・・・



「あまりの酷い疲労で、君は長期療養を余儀なくされ、、
数人のメイドと、双子の姉としか面会出来ないようにさせられている」


「何故、あなたがそんなことを知っているのでしょうか」

たまらずエメラインが言葉を吐く。


「夫さえも今は君との面会を遮断されている」


うっ

事実を他人にそのまま言葉として吐かれるのは辛い。




何が何だか分からないという顔をしているエメラインを見て、男は言った。


「少し、、説明しずらい状況でね・・・」


その時、エメラインは思い出した。

夢うつつの時に、何者かにクロロフォルムのようなものをかがされた記憶・・・


「あっ ・・・さらったの?!もしかして」


思いついた単語を言うエメライン。


男は何も言わない。


沈黙が重く響く。


納得のいかないエメライン。


意味が分からない。

クリスティン(双子の姉)だってナイトライド先生(兄)だって心配してるだろうし、、、



「あの、帰してもらえませんか!」

不安でか細い声になりながらも、エメラインなりの大声で言う。



「私の名はバーナード」


男は名乗った。


何となく、普通の人と違う雰囲気を感じる。

威圧というか、凄みというか。


怖い、というのとは違うのだが。



「あの、、ここにいる意味は何ですか?」

不安そうにエメラインが問う。



バーナードは静かに言った。


「こういう方法しか思いつかなかった・・・」


エメライン「・・・え?」


バーナード「他にどうしようもなかった、、、」


バーナードの話を要約するとこうだった。


生まれて初めて欲しいものが出来た。
でもそれをどうやって手に入れるか分からなかった。

だから思いついたことをした。



ぽかーんとするエメライン。



エメライン「すいませんが、私には家族があります。
心配しているので帰してもらえないと私は・・・」


バーナード「駄目だ!!」

ものすごい怒声が響く。


思わずヒッとのけぞるエメライン。


おっといかん、、という顔をして、、

バーナードは続ける。


「・・・この屋敷はどこも窓の鍵が開けられないように細工がしてある。
換気は、別口で きちんと出来ている。
しばらくここにいてくれないか」


エメラインは頭がくらくらした。


エメライン「すいません。これって監禁ってやつですか?
警察に捕まっちゃいますよ!」


バーナードはフッと笑った。


私にはそういうのは通じない。
誰も、私には逆らえないからね。


そんなことを言う。


もうこうなったら実力行使だ!

自身の非力さを思いながらも、えいやっ!とドアに突進して逃げようとするエメライン。


バーナード「おい!何をする!」


サッとエメラインを捕まえるバーナード。


エメライン「きゃーあぁ 触んないで!私は人妻なのよおぉ」


バーナード「知っている」

即答するバーナード。

何故か顔は切なそうだ。


知っている?

え??

え??


訳の分からないエメライン。



夫から離れてるからな。

・・・いい機会だと思って こうしたのだ


そういう風に言っている。


開いた口が塞がらない。


エメライン「(え、え、えー?)」

夫から離れてるから?


ふざけないでぇえええ


気持ち悪いよう


うう


サーッと青くなる


何で何で何で



壁に寄り掛かりたい。


「(ジョセフ!!)」



あなたよ!


あなたがいけない!


どうしていいか分からずジョセフに心の中で八つ当たりするしか なかった。


 

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