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誘導

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お風呂に入るエメライン。

疲労と、ショックでどのくらい寝ていただろう。

疲れがお湯と共に流れてゆく。



お風呂から上がり、さりげなくバーナードを探す。



いないようなので自分が元にいた部屋に戻り、

空調システムをつけた。(窓が開けられないように細工されているので)



前から思っていたが、調度品がやたら豪華な気がする。
バーナードは一体どんな人物なのだろう・・・。




涼みながら思った。



クリスティン、、ジョセフ・・・

レオン・・・レンレン・・・

ナイトライド先生・・・


(変換すると、

双子の姉、、夫・・・

長男・・・長女・・・

兄・・・)


彼らはどんなに心配しているだろう。

あれからもうひと月以上経ってしまった。





カチャッ


バーナードが顔を出す。



「な、なんで・・・」



「クララが教えてくれたのだ。君が目覚めたと」

バーナードが答える。



クララとは召し使いのうちのひとりの人の名前である。

たまに会ったことがある。

茶髪の、とても感じのいい人だ。



エメライン「さ、さっき、、お風呂に入ったンです」


バーナード「そう。さっぱりしたか?」


エメラインはフーッと息を吐いて言った。


「い、いつ、ここを出られるのですか?
私はいい加減ここを出たいです」


後半、声が震えた。


「・・・どうしても、ここを出たいか?」

珍しくバーナードが優しく聞く。


驚きながらも即座にエメラインは答える。「は、はいっ!」



出してあげたいが、今は駄目だ。

時間をくれ


そう言うバーナードに


「あのー、、でもこのままだったら逝去扱いとかに
なってるかも?しれないし、、
大変になってしまう気が・・・」

恐る恐る言うエメライン。


「それは、、私が そうだな、ちゃんと手を回しておく。
すまないがそうさせてくれないか」

バーナードは冷静に返す。


エメライン「(ど、どうしてそんなことが出来るの?
あ、やっぱり、、そうか、、)」


何かを納得する。


そしてハッとして問うた。


エメライン「申し訳ありませんが、何故私なのでしょうか。
特別何かすごいことが出来る訳でもありませんし、
子供もおります。
あ、あなたなら、」

全然、よりどりみどりでしょうに、、、


やや眉をひそめ、バーナードが答える。


「さぁな・・・ こっちが聞きたいぐらいだ」

バーナードが自分でも「何故?」という顔をしている。


「どんな女も、君とは違う。
女はみんな一緒に見える。
でも君はひとつのブランドに見える。
何故だろう」


エメラインは何てロマンチックな台詞なんだろう、、とうっとりしながら、
「いかんいかん!」と頭を振った。


「でも、、私は結婚しています。
夫を愛しています。
夫以外の男は駄目なんです!」


「分かっている」

うつむきながら下を向くバーナード。


「ただ、今は無理なんだ。
明日、もういい、と君を返すかもしれない。
、、もしかしたら、ずっとかも いや ずっと、、
いや・・・」


自問自答しているようだ。


エメライン「あ、あの、、」


困ります!くぅっ!力があれば!

歯をくいしばって、目をつぶる。


そして目を開けた時、


「私はどうすれば、、」

とつぶやいているバーナードを見た。


「・・・・・・」


エメラインはバーナードを気の毒に思った。

こんなアホな自分を深く?想ってくれているのに、どうすることも出来ない・・・



「バーナード。あなたは一体何者?王家の人間なの?」


ピクッとするバーナード。


「どうでもいいじゃないか」

思わずぶっきらぼうに答える。


「どうでも良くないわ。そうなんでしょ?レオナルド皇太子」


思わず硬直するバーナード。
エメラインにくるっと向き直り、厳しく睨んだ。


「私がどこの誰でもいいじゃないか。
要らぬ好奇心は身を滅ぼす・・・と言うぞ」


エメラインは続ける。

「レオナルド皇太子殿下、あなたはいずれ・・・お妃を娶られるでしょう?
そのような時、私のような者がいたら、あなたのご迷惑になってしまいます。
どうかこのまま、私を見逃しては・・・下さいませんか」


「何故だ」

「な、何故って?!」

レオナルドの変な答えに面食うエメライン。


「私は君しかいらない。お妃を娶るだと?
娶るかそんなもの!
おまえを妃にする!」


がーん!


おまえ?

君って言ってたのにおまえになった!

怖い!


「(違う違う!!!)」


あぁぁああ


変な方向に誘導する形に、、


エメライン「(ど、どうしよう・・・)」



脇から変な汗が出る。


くらくらする感覚を必死で押さえ、しっかりと立とうとするエメラインであった。


 

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