現代ファンタジーのオンライン小説 - ものもの

柳の精

ある住み処。

山の奥です。


茂作というおじいさんがいました。

傍には女の人が話を聞いています。


山には妖怪が出るから、、だから山刀(なたぎり)を持っていないとねぇ。


茂作は頭に中に、あの日の光景を思い浮かべた。


「柳の木が御座いますでしょ。
あの木を切らないよう、、」

「あなたはどなたですか」

わたくしはサダと申します。

「サダさん・・・」


茂作さん、どうか宜しくお願い致します。

「あの木を切らないよう お頼み申します」

茂作「でも僕の一存ではどうにもならないからねぇ」

顔を上げるサダ

僕は一番年下だし、聞いてもらえるかと言ったら・・・


あなたはお優しい方だと聞いております。

・・・頼みましたよ


そう言って

サダは後ろを向き、、歩いていって 次第と体が透けていき

消えた。


驚く茂作。


「(・・・この展開は、木を切ったら殺される展開だ)」

茂作は焦った。


山に入る日、具合が悪いと言ってすっぽかす・・・

全員が亡くなった後、後日に自分がサダに訪ねられ、サクッと天国に送られる図が思い浮かぶ。


「(参ったなー)」

木を切らずに済む方法は・・・。


茂作は親方の元へ行き、何とか柳の木だけは切らないで的なことを訴えた。

駄目

と言われ、頭を抱える茂作。


恐らく、、木を切ったその夜にあのサダさんなる木の精?が現れるに違いない。


殺される前に話し合う、、しかない。


「(殺されるよりいい!)」


茂作は覚悟を決めた。



柳の木が切り落とされる時、茂作の心臓はバクバクした。

これでフラグが立った訳だ。

冷静に考える自分と、ぶっ倒れそうになる自分。



夜が来た。


仲間は自分を除くと15人。


自分を除いた15人は全員 ぐーぐー寝入っていた。


茂作はずっと山刀を肩にかけ、サダが来るのを待っていた。


しかしせっかちな茂作は「(早く来いよー寝てーよー)」とイライラし出した。

(怖くないの?)



だいぶ経ち、茂作がうつらうつらし出す頃、

すぅっと壁からサダが出てきた。


「(げ、玄関?と呼ぶかは分からないけど!ここで待ってたのに!そこからか!)」

プライドの高い茂作はムッときた。


あなたに頼んでおけば、、大丈夫だと思っておりましたのに・・・


青白い、恨みのこもった目で茂作を見る。


「(怖い。何あの顔 日本昔ばなしで出てきた女の人みたいな・・・)」

ホラー系の話では特徴のある顔の女性が出てくる。


ゆらり、、と 茂作の方に歩いてくる。


茂作はおっと、、と思わず後ずさりする。


殺される、、木を切ったし・・・

ど、どう殺されるんだろう


ひたすら殺され方を考える茂作。

(大丈夫かこの人)



サダは言った。

確か・・・雪女でも若い方の男を殺さないというのが御座いました。

わたくしはあなたを殺さないで見逃しましょう。


茂作「(そうじゃないかと思ってた)」

わざわざ俺に頼みにくる、っていう時点で何となくね。



くふっとサダは笑った。

でも他の仲間は見逃す訳には


「それはっ」

思わず声が出る。


だって許せないも・・・


切らせてしまった俺が悪い!

どうせ俺は殺せない=俺が一番悪いことになれば全員助かる

彼は頭の回転を早ませながら考えた。



面倒臭い〜という顔をして すぐ傍にいた人間の口に口を当てた。

舌を食いちぎるためである。


何となくムカついてばちこ〜ん!とサダをひっぱたく茂作。

「は?」とした顔をして頬を押さえるサダ。


せっ接吻・・・


「接吻?」聞き返す。


はしたないです!


・・・


白けてしまい、「でも恨みはあります。どうすればいいのでしょうか」

と相談?してしまった。


茂作は「そりゃまぁ、、そうだろうねぇ・・・」

とじいさんのようにうーんと腕を組んで考え出した。


もういいです。


サダは去って行った。



茂作はそこで安心したが、、

少しして


「(数日後に復讐しにきたらどう対処すれば・・・いいのかな)」


まぁ僕は大丈夫だから


考えるのをそこで停止した





話は冒頭に戻る。


茂作「まぁ昔そういうことがあってねぇ」

隣で聞いていた女の人がうなずく。



おじいさん、お夕食ですよ。

親切なお隣さんがおにぎりを持ってきた。



カラカラカラ・・・


中にはおじいさんしかいない。


あらあ?中から話し声が聞こえたからお客様でもいらっしゃるのかと。


おにぎりを置き、

お隣さんはカラカラカラ と扉を閉め、去って行った。



家の中には、あの女の人がおじいさんといる。


「それでどうなったのですか」

「それでねぇ、みんな殺されちゃったん、、だよね」

後で。


僕は平気だったけど





カラララララ


おじいさん、お夜食持ってきましたよ。明かりがついてるから起きてらっしゃるのだとばかり、、


茂作は突っ伏す格好で寝ているようだった。


おじいさん、揺さぶる。


おじいさん、寝ちゃったのね。囲炉裏(いろり)の火を付けっ放しで無用心よ


フーッ

お隣の娘さんは火を消し、 奥から毛布を取り出し、

茂作の上にかぶせた。


「風邪ひいちゃうのに」

(いい人だ・・・)





茂作には舌がなかった。



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日本昔ばなし史上、最恐と言われている「十六人谷」の別バージョン。

結局こうなってしまった。


或る人をモデルにしたのですが、改めて読み返して全然違う!と思ったので
いつの日か挽回・・・

・・・

出来なそう・・・


 

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