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旅の高僧

或るところに、とても忠誠心の強い侍女がおりました。

主君、、つまり彼女の姫君のために、荒野をさまよい、ずっと待っていました。


何を?
妊婦です。

姫君は不治の病に罹っており、それには 妊婦の、、

薬師はそう言いました。

胎児の生き胆(・・・ぐろい!)
が、必要だと。


数年経ち、妊婦が、侍女が住んでいた宿に「一晩泊めてくれ」とやってきました。

侍女は、、「綾手」と言うのですが、綾手はその妊婦の腹を裂き、中の赤子の

・・・

「これで、これで 姫君の病を治すことが出来る」


暗がりの中。

はっとする綾手。

・・・

分からなかった。

でも分かった。

あの顔は

娘だ。

私の。


手を見つめる。

自分の手。

この肝は

「自分の孫の・・・」




精神は強いものです。
でも人間は弱い。

この矛盾は何でしょう?

綾手は気が触れてしまいました。


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ここって確か鬼が出るところだよね〜


旅の高僧が青いメガネ(・・・?)をクイッと上げて その気味の悪い草原を歩いていた。


暗くなり、寒いな と思っていると、 一軒の家が見えた。


「出た。あれがその有名な・・・」


旅の高僧(・・・)は こわごわ とその家に近付いて行った。


まぁまぁ、それはお困りでしょう。

テンプレート通りの、優しい応対。


怪しいぜ。さぁ どっしようかな〜

旅の高僧・・・名は「慈海」。

慈海は迷った。


「(奥にはガイコツが山ほどあって、、)」


どういう風な展開になっていくのか 俺考えるの面倒臭くなってきた。


腕を組んで、胡坐をかき、、メガネがずり落ちる。


「坊様、もうお休みになりますか」

綾手は優しく言った。


え、あ はい


慈海は 「(油断しない)」と身構えた。


布団を敷かれ、その中にそっと身を滑り込ませる。


頭の中では「(包丁がまずあるだろ。ソレをどうやって、、えー

無理だよ俺)」

などと色々考えていた。


しかし突然起き上がり、


すみません。


凛とした声で綾手を呼んだ。


奥の部屋から

「何で御座いましょうか」

と綾手が出てくる。


罪のない人を殺めて、どうなさるおつもりか


・・・・・・


あなたのお気持ちは分かる。

あなたを責めはしない。

「しかし理不尽に殺された人間たちのことを一瞬でも考えたことがおありか!」


狂っている


そんなの理由にならない!・・・分からぬのか 何故っ!


びしっ と 歯をむき出しにして指をさした。


綾手は、、逆ギレするかのようにワナワナと怒りに似たような表情を浮かべていたが、、


目だけ下に向けて、、


へたり込み


「どうすれば いいのです」


わたくしは もう分からない


自分で考えろ

一喝する慈海。



長い

長い

長い沈黙。


「貴方様のような人を待っていました」


わたくしをお殺しにならない。

・・・あなたは何よりも何よりも、、辛い罰をくださるのですね。



そうだ

慈海は静かに言った。


こうして、

おそらく、一生掛けても・・・あの世に行っても・・・
永遠ではないだろうが、気の遠くなるような時間分、

償わなければならない罪を

出家することで、少しでも漱ごう(すすごう)とした。


「おまえは百歳ぐらい生きろ。そして一生、、うーん。可哀想になってきた」

慈海は優柔不断に説教しながら、


なるべく長生きして、罪を償え、と言った。



※安達ヶ原の鬼、(という怖い日本昔話的なお話がある)

の、別バージョンである。


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旅の高僧、「慈海」は

ナイトライド先生(RO小説本編のアイドル)の中の人をモデルにしています。

合ってるかな〜


 

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