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Phantom Disease

青白い光。

何か、駄目みたい。今日は。

美奈は起き上がった。


あっ 4時・・・

丑三つ時じゃないんだ。

でも「4」だから不吉よね


どうでもいいことを考えながら、

青白い光を放つ物体の前に 座る美奈


「駄目だよう 無理みたい」

心の中で叫ぶ。

両手で顔を覆う。


何て中毒性なの。


駄目だって分かってるのに

でもそこに行きたい。


駄目だ!

パチッ


美奈は青白い画面、、を食い入るように見ながら、

カチカチカチッ と文字を打った。



「Phantom Disease」

文字が出てきた。

いつもの、見ていたサイトの文字。


Phantom Disease

直訳は「死への病」などであろう。


死への誘惑に耐え切れなくなった人間を

樹海の土の中にとぷり・・・と沈み込ませる 暗黒のサイトである。


「はぁっ はあっ はあぁっ」

美奈は苦しかった。

息が苦しい。


「(こんな息する自分を止めたい。息するってことは生きてるってことでしょ)」


美奈はずっと このサイトを見た時から 死への誘惑に途方もなく取り憑かれるようになってしまったのだ。


危険性に気付いた美奈は もう駄目!見ちゃいけないんだ


そう思って遠ざかるようにしていた。


しかしあの何ともいえない、、

芳香すら画面から漂うような甘い魅力に

段々と精神が壊れていく感覚に襲われ、、


何度も考えないように頑張ったのに


ついに 光を求める(実際は闇を求めている)ように


青白い光をつかみ、、


そのサイトに行ってしまったのだ。



「Phantom Disease」


やっぱり私、死にたいよ


生きていたくないもん


生きていれば 誰もが死にたがらない。

死にたがる人間なんていない


本当?

そんなことないよ

私本当に死にたいよ


美奈は考える余裕もなく、カチカチッと画面を進めていく。



「迷うことはないのです」


「死ねば楽になれます」


そんなキレイな文字がたくさん並んでいる。


詳しい説明を読む。


駄目、だって止める自分も、もういない。


美奈はそのまま、


カチッ


ボタンを押した。



「ようこそ」


実際は Welcome と書いてあった。


良かった。


美奈は涙が出た。


死に会えるのね。


良かった。


下を向いて、、

ふぅっと小さくため息をついて。



そのまま美奈は身辺を整えだした。


私にはこれしかないから。


無理なの。



Phantom Disease


今日もまた、、


このサイトは人を食い破るのだろうか?


いいや


美奈だけを待っていたのだ。


美奈が死を「選んだ」瞬間


そして死を決定したボタンを押してしまった瞬間に


サイトは消滅した。



Phantom Disease


全ては 美奈本人と

画面に眠る意思だけが


真実を知っている。


 

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