現代ファンタジーのオンライン小説 - ものもの

一本!

にゃあ

メイコというアメリカンショートヘアーのメス。

メイコ「(男の人って散らかってても何とも思わにゃいんだから)」


メイコを瑛士(えいじ)家に迎えた時、メイコは目がくらみそうだった。


何万!じゃないにゃ!何十万かかったんだにゃ!


くるっ!と瑛士(えいじ)が振り向く。

「まぁ結構掛かったねぇ〜^^;」


その時は腰が抜けそうになったけど。



今は何ともないにゃ。


ご主人様は私の心を見抜くのが当たり前みたいだし。
と思うメイコ(くどいようだがネコ)




ごうんごうん

大雪の日だった。

男の人に、ペットショップで買われて

それでその人の車に乗せられてぼへ〜っとしていた。



・・・

ネコグッズがたくさん。あんなのこんなのそんなの!

「(室内専用砂場があるってどういうことにゃ)」

「(爪とぎは10種類も要らにゃいにゃ!(お金が!))」



メイコ〜

瑛士がエサトレイに何かをたくさん乗せてこちらにやってきた。

「もしかして、、辛子明太子好きかな?違ったらごめんね」


・・・ぎゃー!

バレてるうぅぅうぅ

・・・



掃除やっとくね。

こんなに多かったらすぐほこりたまるし、みたいなことを言う。


掃除、の単語で切なそうな顔をする瑛士。




冒頭に戻る。

私のために色々揃えてくれて有難うご主人様ぁ。

でも、、掃除する約束 反故(ほご)にされてるにゃああぁ


「(おとこにょこってみんなこうなのね)」



お外を見る。

ご主人様は私を通して誰かを見ている。

『メイコ』

『掃除』



ペットショップ店員「そうですよぉ お客さんがそうなんですか?」

瑛士「いえ、僕は違うんですけどね」


『アメリカンショートヘアー、メス、 てんびん座、東京都出身、好物:鮭』


メイコの小部屋の名札を見て瑛士は「似てるねぇ〜;」とつぶやいていたようだった。


ペットショップ店員「このこ、すぐ脱走しちゃうんです。繊細なのかな?可愛がってあげてください」



メイコの考えていることを瑛士はことごとく言い当てるので
最初はどうしていいか分からず目を回していたが、

慣れた。


切なそうな顔をして語る瑛士。

「君と、同じ性格、同じような顔、髪はショートヘアーじゃないけど。

そういう人がいたんだ」

アホみたいな顔をして瑛士の話を聞くメイコ。


瑛士「でも、あの人は本当は幻で、僕は幻を見ていた。そう思うようにしている。
いなかった、でも、いた・・・」

メイコ「(現実逃避してるにゃ)」


瑛士は6年前に「冥子(めいこ)」という恋人を失っていた。


女性特有の汚さ、腹黒さ、浮つき・・・裏切り

どうしようもない祖母や母親や伯母や叔母たちを見て、(セットだー!)

学習していたため

女性と縁のない生活を送っていた。
というより、女性と縁がありそうになるごとに 「申し訳ないけど 僕は君が嫌いでね」

と相手に言って去る、、そういうことばかりをしていた。




のに、おかしなものである。

冥子は瑛士の4つ下であるが、、クリスマスのミサ・ソレムニスの鑑賞会の帰りで突然、

「毎年いらっしゃいますよね?」と声を掛けてきた。

「去年は私、受験で来れなくて。無事受かったんですけど・・・」

瑛士「おお、おめでとう御座います!(初対面なのに・・・)」

冥子「有難う御座います!ですから来年、絶対来ます!」

こんな会話をした。

まるで、『あなたが来るなら私行きますから』みたいな言い方である。


初対面なのになんだ!馴れ馴れしい、と思うところを


「じゃあもう来年は行くしかないなぁ〜」と思ってしまった瑛士。


好みだったらしい。

外見というよりは「なんでこのタイミングで声掛けるの?」とかそういう微妙な部分だ。



ロマンチックの「ロ」の字もないまま、ふたりは付き合い、

そして冥子は悩みが多くいつも瑛士宅でめそめそ泣きながら相談する、、
それを瑛士が聞く、、、

そんな感じの付き合いをしていた。


冥子はキレイ好きで、よく掃除をしていた。

「勝手に掃除するな!」と怒る男性と違い

「(多分ここで掃除するなとか言ったらメイコちゃん立ち直れないだろうなぁ〜)」と悟っていた瑛士は
全く邪魔をしなかった。



そんな思い出があっても、散らかし放題の瑛士。

冥子は悩みが多く、ある日大量の睡眠薬を飲んで亡くなった。


瑛士は泣かなかったし、事務的に色んな物事をこなしていった。

お葬式もお墓にいって冥福を祈るのも。



彼は、冥子の全てを知っていた。

少しの仕草だとか少しの表現とか、表情とか、口調だとかで

「今、悲しいんだろうな」とか「今日良いことあったんだろうな」とか「辛いことを思い出して自信を失っているのかな」とか

全部お見通しであった。

亡くなるのは、何となくそう感じたから、だからあまり驚かなかった。


「そういう選択をやめさせるのはある意味、その人を考えてないことにもなるからねぇ〜」


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瑛士「あの人は、言葉正しいのか分からないけど、僕から見捨てられた訳だから。
というより僕が見捨てた、の方が正しいかな。
ひどいことをしたと思っているよ」


メイコ「(違うにゃ・・・。その人は今でも会いたい話したいって思うほど、、
あにゃたを想ってるんだにゃ。
許すとか、、許さないとか それ以前の問題だにゃ)」


瑛士はメイコを抱き上げて、ハッ!と電撃に打たれたようになった。

うわっ!!


メイコを振り飛ばす。


わなわなする瑛士。


メイコは いってぇ〜な〜と目を回した後でそっと座り

「見抜き上手のぉ〜瑛士さんでも、気付かなかったのね?」

と言った。


瑛士「いや〜一本取られたね」


メイコ「っていうかさ、、ペットショップのあの名札でバレバレなのかと。
だってすぐ見抜くでしょ?」


瑛士「言われてみれば・・・^^;」


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私があんまり泣くから、、天帝も もらい泣きしちゃってねぇ〜

○○年○月○日の夏の大雪ってあれなのよね


言葉も出ない瑛士。


普通は生まれ変わったり、、霊として彷徨うけど、動物として、、人間に良く飼われる「ネコ」として生まれ変わったのよ〜

しかも微妙に人間ぽくってことで「話せるネコ」として。


ペットショップで売られるようになって、飼い主がついても、そっとペットショップに戻る・・・そんなことを何度も繰り返して飼い主が完全に諦め、、そんなことを何度も何度も何度も繰り返していた。


瑛士は「メイコ」を「明子」という名前にした。

「きっと前の不幸は 冥界 を思わせる「冥子」だったから、とも言えるからね・・・」


どうでもいいにゃ!辛子明太子フレーク切れてるにゃ!!

ネコ語に戻るメイコであった。





 

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