現代ファンタジーのオンライン小説 - ものもの

幽々多難・前編

この話は「人間界の化学反応」のお話である。

全てが全て、ある法則の元に動いているとは、、限らない。


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ストゥニー住み処。
映画館、森林と湖、飲食店が集まる、森の中の大きな施設である。

映画は月に一度映画が上映される。
ミュージカルの場合もある。


「つまんないなー」

と思う霧谷りい。

その時は『ドン・キホーテ』が上映されていた。


身をひるがえし、映画館を出る。


トントントントン

木の階段を降りて行く途中


ぐいっ!

腕をひっぱられるりい

??

「(え?なになに??私なにかした?)」

何かしたのわたしーっ!?

パニックになる。


「りい」

くるっ

・・・?

見知らぬ男性の顔。

・・・

りい


「(誰? 何故私の名前を知っているの?)」


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あれからもう2・5年ね!

義之「もうそれくらいか」

・・・キィ君さー、高校の時に交わした会話覚えてる?
何度か一緒に帰ったけど。

「ん?」

遺伝子よ

「あれか」 即答

りい「覚えてるの?」


(※「りい」は文章がよみにくくなってしまうので「リイ」で統一しています)


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高校生時代。

リイ「私は絶対そう思う」

義之「少し、俺を買いかぶりすぎだろ」

リイ「とんでもない。私は本気でそう思う!」


内容は、「樹原義之(きはらよしゆき)」の遺伝子は優秀だから、絶対結婚して、子供は3人以上は作らないと駄目」というものだった。


でぇ

「相手は容姿端麗で頭脳明晰で〜そういう人間で!」

義之「俺は結婚には興味はない」

リイ「・・・まだだって、高校生だよ?汗 もう『興味ない』訳?」


義之曰く女性は「感嘆符」とか 「感情」 ばかりで自分がどう思ってるかどう感じているかそういう話ばかりして全然建設的な話をしない。
だから男と話している方がいい。
らしい。

リイ「はぁ・・・。・・・じゃあ・・・(間)遺伝子でも残したらいいんじゃないかな。
アメリカだっけ。なんとかバンクってあるでしょ。
ああいうところで残しておいた方がいいよ」

義之「興味ないな」

切なくなるリイ。


・・・

端正な顔をして、頭脳明晰で、、
何でも冷静な考え方をする。
でも、、本当は熱いものを持っていて、

人間らしい人・・・。

リイ「(やめてよもう。こういう人の遺伝子が残らないって・・・人類の、、あれよ。
人類遺産の、、えーと。人類遺産の、、貴重なそういうのがもったいないとかそういう・・・)」


何て形容すればいいのかな、、

そんなことばかり考えて

しばしの沈黙が漂う。


テクテクテク


「リイ」


「はい?」
振り返る。

「有難う。そこまで俺を買ってくれて」

・・・

何を言ってるのこの人。

「(自分のすごさとか、、分かってるの?
ある意味、、変な人よ!

自分のこと棚に上げてるけど・・・)」

・・・


あのー

まだ何か言いたげなリイである。


しばらく無言で闊歩していた義之。


「俺が決める。おまえは黙ってろ
あ、ちょっと言い過ぎたけど」

あう"っ


「ご、ごめんなさっ・・・」


ああぁ あたふたするリイである。


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現在:30代


冒頭のストゥニー住み処である。

ふたりは映画とミュージカルを観に、月に一回ここに来ていた。


森の奥にあるアイスとクレープ屋さんを目指して、サクサク歩くふたり。


リイ「キィ君、、残念・・・(泣きそう)」

(「樹原」なので「キィ君」なのである)


義之「出来ないものはしょうがないな(彼女)」

・・・だって、、か、格好良いし。あ、頭、良いしっ!

意味分からないわ・・・

リイ「私みたいなのが結婚出来て、、どうしてあなたが」

義之「『みたいなの』言うな。自分のこと」


はっ
脇に汗が流れる。
思わずテケテケテケッ!とその場で地団駄を踏むリイ。


「ご、ごめん!違うの。そ、そうよね。自分のこと、、っていうかひ、ひ、ひ、卑屈な人間と会話なんてしたくないよね!」

「うん」

ハッキリした口調。

義之は、決して女性を 「女性扱い」 しない。
誰とも対等に接する。(子供相手でも・・・汗)


私、残念なの。
「キィ君みたいな人が・・・ (言葉出ない)」

義之「リイと月イチでここ (ストゥニー住み処) で会ってるけど、これがもし障害になっていたら?」

リイ「・・・そ、それならすぐやめる!」

義之「・・・」


し〜ん


リイは本当は「いない」。

2年前に亡くなったのだ。

半年は生きてる状態で義之と会っていて、、それで途中でこうなってしまい、、


「(私がこうなったのを知ったら、あれかな、、って)」

生きている振りをしていた。


何故こんなことをしているのか・・・。

「(今更、引っ込み付かない・・・涙)」


大きな理由があった。



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