現代ファンタジーのオンライン小説 - ものもの

両サイドに

悠悟と彩織。

常に情報の最先端を目指す新しいもの好き男性、悠悟と、

古きも新しきも両方優柔不断に愛する女性、彩織。

ふたりは夫婦だ。
せっかちな悠悟が結婚を早まらせ、のんびり緻密な結婚計画を立てていた彩織の夢をパキュンと壊した。
(音が・・・)

これはまだふたりが新婚の頃の話である。


買い物から帰ってきてドアを開けたら、壊れた芸術家の絵のような部屋が広がっている。

悠悟は部屋をリゾート地に変えたり宇宙空間に変えたり出来る力の持ち主(過去参照・・・)なのだ。

「悠悟ぉ〜!何処にいんのよ!」

でかい声で遠くに響くように言う彩織。


奥に行き、ドアを開ける。

確か3日前にファイナルファンタジー25を買ったばかりの悠悟。

ピコピコゲームをしている。

「ただいま。クリア出来た?FF25」

悠悟「おかえりなさい。さっきクリアしたよー」

見ると、別の新しいゲームをしている。


(20分後)

悠悟「飽きた」

飽きるのが物凄く早いのにどうしてあんなにクリアが早いのかしら

毎回疑問に思う彩織。


和風の部屋に変える悠悟。

落ち着いた感じになった。


ゲームして頭を使っていたからああいう状態(芸術家風の部屋)になっていたのね
納得する彩織。

(※意図的にやっている)


登山、釣りもやっている悠悟。

最適化して色んなものを忙しく楽しんでいた。


結婚した後に思い知らされる「両極端」。

いてて。
夜道を歩いてきてすっかりズキズキしている両脚を押さえる。

突然襲ってきた変な感情。

彩織「悠悟は私がいない方がいいんじゃないの?」


悠悟はいつもの彩織だと思いながらも反応した。

「どうした」


とろい私でさ。どうでも良くなるんじゃないの!

たまにこういう風になる。


えっ?!

一面の銀世界。

目の前には白狐が二匹。


「僕たちはお稲荷さんです」

・・・

な、何が起こるの・・・

日本語すら忘れそうな彩織だ。


二匹は回りながら、「ご本尊は貴方です」
と言った。


・・・

私は「神社」で。

白い存在、ってこと?なのかしら、、

色々考える彩織。

チラッと悠悟を見る。
・・・見ようとするが、すでにいなくなっている。


「(あの人なりの表現、なのかな・・・)」

しかし物凄く回りくどい。


『悠悟は私がいない方がいいんじゃないの?』
『そんなことないよ』

終了。


この会話で終了のはずが、それも何だかアレなのだろう。

そっと表現する悠悟である。


程よくひんやりとした雪が気持ちいい。

ジンジンしていた両脚の痛みが和らいでいく。


パタッ

雪の中に半身を倒す。

寝ても大丈夫な冷たさの雪になっている。



知らず知らずに深い眠りの世界に入ってゆく彩織。

お稲荷さんたちは彩織の背中に乗っかってスピーと寝だした。


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夕方。

ピコピコ。

悠悟「まだやってんのか。FF20」

彩織「だってすごく面白いのよっ!ちょ、邪魔しないでよ!」

ため息をつく悠悟。

普段はゲームはくだらないわ!と切って捨てる彩織がハマッた「FF20」。


1ヶ月かかってもクリア出来ない。
でも、長くプレイ出来るから返っていいわねっ、と上機嫌だった。

悠悟はムカッとした。

「俺に4日でクリアされるような奴(奴)が何で彩織の心を捉えているの」的なことを考える。

彩織が好きというよりは隠しているだけで相当な負けず嫌いなのだ。

機械にライバル心を燃やす手の付けられない男の子、悠悟。


小学生の頃の思い出。


彩織の好きなネコのぬいぐるみを自分の両サイドに置き、静かに彩織を見守る悠悟。

「あ〜っ!ブリュッペルナの槍が取れないっ!」

「それ、河を渡ると取れるよ」

ピピッ

彩織「え?」

パチッ

「セーブをしてプレイ画面の電源を落とす」悠悟。


うとうと・・・

あれ悠悟、「気付いて」って思ってたのかな・・・
・・・

「(気付くのがとろい私で御免ね)」

あの時の、ネコをお稲荷さん代わりにして自分を神様にして「神様を粗末にしてゲームばっかり」と言いたかった悠悟・・・を思い出す。


・・・

「(分かんないわよ普通・・・)」

回りくどい表現ばかりする悠悟と、気付くのに十数年の時を経ねばならない彩織。


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ひとりと二匹を室内に運び、布団を掛ける悠悟。

そろそろ寝るか、と自分の部屋へと入って行った。


 

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