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海の女の子

ひゅうぅぅ

最上階のテラス。

雨は止み、そこで煙管(キセル)を吸いながら義渠(ぎきょ)がコウと話していた。

朧浪(ろんらん)の母親とコウが似ていること。
そして血の繋がらない娘がいたこと。

コウ「(娘、、と言うことは朧浪さんの義理のお姉さんということになるのか・・・)」

歳はひと回りも離れているらしい。


その女性が溟渤(みんお)の子をふたり生んだのだという。

「(・・・想い人って、溟渤さんの想い人って・・・)」
嫉妬で一瞬胸がキンッ!と痛くなる。

「おまえさんを呼んだのは他でもない」

沈黙。

「生まれた子供の片方は女で人外だ。
男の方は人間」

人外の女の子がすぐにいなくなってしまった。


その、義渠からすると「孫娘」を探して面倒を看て欲しい。
そんなことを言った。

はっ
「はいっ」

溟渤の娘である。
「是非大切に育てたい!」
さっきの嫉妬は?というような感じでコウはビシッと思った。

・・・

義渠が少し振り向いてコウを見詰めた。

義渠が椅子に座り、結構離れてコウがその後ろで立っている形になっていたのだ。

その鋭い目が表向きはとても冷たくて怖い感じなのだが「おまえさんは良い人間だな」
と深く語っているようであった・・・


その女性には「嶽岑(えつぇ)」という夫がおり、
溟渤とのことは「正しくない(世間的に)」ものである。

ムッ
こういうことに結構潔癖なコウは「誠実ではない!」と
その事を聞いて小さく憤ってしまった。

・・・山、と海だ。

つぶやく義渠。

え?
コウは顔を上げた。

義渠「嶽岑、は山で
溟渤は・・・海だ」

確かに・・・
漢字的にはそうだ、、とコウが思った時

海を選んだのだろう。日本人はそうだ。
と義渠。

日本人。
「日本人なのですか?(娘さんは)」思わず聞いてしまうコウ。

・・・

沈黙する義渠。

その女性(義渠の娘)は日本人で、今は日本に行ってしまっている。

そのことを読むコウ。

嶽岑も、純日本人なのだということが分かった。
漢字は中国風であるが・・・。


義渠「嶽岑は良い人間だった・・・」


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名賢、暴奸の珠。

ぽこっ 胸から名賢の珠を取り出す。

海の神はそういう珠を持っていることを知っていたのだという。
義渠が。

「(試していたのね・・・主君に絶対かどうか・・・)」納得するコウ。

スゥ
珠が7色に、、キラキラと輝く。

コウ「(時空を越えて、、私が溟渤さまの子孫たちを、、朧浪さんと一緒に見守っていく・・・)」


ハッ

そういえば(そういえば)朧浪さん、、
はた、と気付く。

どうしてるかな。


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朧浪の書斎。

椅子に座って机で何か書き物をしている朧浪。

朧浪「で?時空の旅は取り消しか」

「取り消しって言うか。実際の旅じゃなくて想いとかスタンス、と言いますか」

肩肘をついて朧浪は言う。
「気まぐれだな」

「そ、そんな」

「(溟渤様のことを優先した形にはなってしまったけど)」

コウ「海の、、子孫を。私たちふたりで育てて、そして『時空を越えて』見守って行くのです」

パパとママになりましょう?

「その子の名前は『愛凜』」

んー

「山と海をどうこうした姉・・・顔は見たことないが。の、女の子。
尻軽そ・・・ボソッ」

ろ、朧浪さ、、(青くなるコウ


・・・

乗ってやってもいいが

朧浪「相談があるな」
キリッとした顔の朧浪。

は、はい?
返事をするコウ。


・・・


は、は、、はい・・・。

「わ、私で良ければ!」

とある案件が一件片付いた。(何だ


 

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