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愛凛と満月

行方不明の愛凛はたまに帰ってくる。


よっす! 夜中にいきなりベランダ近くの窓に愛凛がいた。


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びっくりしますよ。

高志「いつもいきなりだから」


愛凛「んーだってそっちのが面白いじゃん おどかせるし」

ミニテーブルの上にあった目薬を勝手にさす愛凛。


愛凛はいつも空から「泳い」でくる。

一体その正体は何だろうと思いながらも、まぁそれぞれ事情があるからいいか、、と思う高志だ。

(いい人だ)


今日は3年振りだねーなんて話をしながら、ふたりで親子丼を作る。


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ベランダ。


愛凛「ねぇ高志

あたしね、アンタのこと、一番 好きだよ」


水を掛けられたような衝撃。

いつも突拍子もないことばかりする愛凛だ。


いつもながら、、と高志は思う。


んふっ

愛凛は笑う。


ふわ〜

満月の下、、少し暖かい風が吹く。


愛凛「何て、、言うのかな

何て言えばいいのかなぁ

ひとりじゃ、無理なのよね」


ピシッ


知っているけど、口に出されると、、と高志は思う。


高志「(知っては、いるんだけど・・・)」


あごに両手を当てる愛凛。


・・・

高志「い、色んな、、人を。人間を、、好き、なんですよね」

愛凛「うん」即答


「その人の『良さ』っていうのかな。
短期間でギューッて知っちゃえるんだ。
何となくね」


高志「でも、、それはどうなのかな
その、、「人」はたくさんいるから、、」

下を向いてしまう。


くるっと高志の方を見る愛凛。


愛凛「たくさん、、素敵な人がいる

まっでも 浮気っつっちゃ浮気よね ふふ

でもさー」


高志「僕はひとりだけを! その、、」


ガシャンッ!

下の階で、自転車の倒れる音がした。


ひとりの、、ひとりの人だけを好きになった方がいいんじゃないかな

愛凛「・・・」


高志「僕は、、あの。あの!僕はそういうあいりーんさん好きじゃない」

ギャーギャーギャー

・・・

ガッシャン!


下を覗く愛凛「まぁーた、下の階のカップル喧嘩してるねぇ」


・・・

愛凛はベランダから部屋にスタスタ入った。

「独り占めしたいの?あたしのこと」


高志「い、いえっ!そ、そういう訳じゃ・・・

あ、あの、ひ、人としてどうかっていう問題でっ」


・・・

いえ

高志「あなたはさっき」


『アンタのこと、一番 好きだよ』


それ以上は言えずに 鼻が詰まったのかズビーッ!とひたすら鼻をかむ高志。


愛凛「だからさ、アンタのこと 一番 好きだよ」

仕方ないじゃん。ホントなんだからさ


・・・


高志「(何だろう。この微妙な気持ちは)」



やーね!

腰に手を当てて恥ずかしそうにする愛凛。


単純にさ、ホイホイ色んな人を好きになるあたしでもさ


アンタが一番好きだっつぅことを 言いたかったのよ


それだけなのおおお

分かった?

高志「え?」


分かったかって聞いてるの!


あ、

高志「は、はいっ!(良く分からないけど)」


うん(超笑顔)


じゃ、ね。


また来るよ。



ばいばーい!


うぉーあいにー♪


手を振って、、、


ベランダから身を滑らせて、、、



空を「泳いでいっ」た。


・・・


ウォーアイニー。

高志「(そういえばあいりーんさんて中国語しゃべれるんだよなぁ)」


つくづく不思議な存在だ。と思う高志。


こういう存在だから、

いっぱい恋、、恋という訳じゃないけど

そういうことになっちゃうのかも
・・・分かんないけど。


まぁ

僕が一番だから いいか なんて。


・・・


ガラガラ


高志はガラス戸を閉めた。


 

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