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ふたつとも

小さな世界 > 第7章「交錯」
 



ずーっと息を飲みっ放しの理々。

めまぐるしく変わっていく景色。
敵がどんどんやってきて、倒しても倒しても・・・

裕也は汗だくで敵を次々と倒して、理々をひたすら呆けさせていた。


理々は遠くで見ていて、裕也は『敵の倒し方指南』教えている、という訳である。


<10分後>

ゴホッ ゴホッ ゴホッホッ

理々「飲んで!ほら飲んで!」

理々は裕也にゴボゴボ、ミラティーを飲ませまくっていた。
流し込む、と言うべきか。


裕也「もう、俺は赤ちゃんじゃないんだよ?」

「でもっ、血だらけでした!」

「(・・・過保護だよ・・・)
僕は男なんだから、大丈夫だよ。
それより、君は!」

理々はバッと立ち上がり、「やってみます」と何故かのんびりと言った。


・・・
裕也は目がとても白くなった。


あまりに俊敏であまりに身軽、見事な動きの理々に真っ青になった。

敵を攻撃せずにひたすら交わし、交わし交わし交わし、
ある一点に集めている。

全く攻撃をせずに、くるくると身軽な動きで敵を翻弄しているのだ。


「ナイト・シーフ両道・・・だよな・・・」

ナイトは攻撃・防御に優れている。
シーフは俊敏力に優れている。


シュッシュッシュッ

理々「はあっ」
さすがに理々が汗だくで苦しいうめき声を出した頃、

ためなくていいのかよ!と言うくらいアッサリと

「ディスインテグラートワー!」

と一気に敵を一掃する理々の姿が。


ためればカッコよかったのに・・・
と思わず立ち上がってしまった裕也。


・・・

裕也は目を細めた。


裕也「(強い・・・何て強い・・・)」
まるで万華鏡のような攻撃を繰り広げて、敵をやつけていく理々。

素手でも敵を殴り殺せるに違いない。

「何で・・・あんな子が・・・おん、なの子、、なん・・・」

普通なら『負けない!』と闘争心を抱くところだが、
あまりの強さに、『もっと見たい、もっともっと』という気持ちが出てきて
舞台を見ているような気持ちに、皆がなってしまうだろう。


注釈だが、これは『ゲームの世界の戦闘能力』であって、現実世界に適用される能力ではない


・・・
裕也は切なくなった。

莫大な精神力を持つ、『立花理々』。
世界すら創ってしまう程の精神力の持ち主。

この世界では「絶対者」にもなれる。

美しい女の子。

守ってもらえるんだよ。女の子なら。
「(強くなる、必要なんかないんだ)」


理々のえいっ!やぁっ!という声が聞こえてくる。


「(受験勉強も頑張り、ほとんどが優等判定、
今も死ぬほど努力して身体的にも強く・・・
・・・君は男に生まれるべきだったな)」


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敵が侵入しない領域内。

大きな樹の下で理々が横になっていた。

はぁっ
「ミラティーだけじゃ回復出来ないのかぁ」
体の回復は完全に出来るが、

もっと大元のエネルギー源は、休んでいないと回復しない。

そよそよ.....


裕也は横で、何かの機械をピッピッピッと操作していた。


You'll work yourself ill!(無理しすぎ!)
雲文字が空に出ている。

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ピッピッピーッ

<総合受付所>

女性「・・・」

『適正有り。ヴィ、進入可能』

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理々がすやすや寝ている。

笑顔になる裕也。

「(強くても、寝顔は女の子、だな)」


 

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