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エネルギー

小さな世界 > 第6章「休息」
 



千条院夫妻の敷地内。
メイン島邸、天守閣内部:『全部混ざってる部屋』

・・・

流れている音楽も全部混ざっているような感じのものだ。
(クラシックとポップとジャズ)

あ、そうだ!
あまりにも凛々しい羽織袴のまま、遼一が立ち上がった。
(部屋に合う服を着ろと)


「予防注射を、しないといけないね」
クッと横目で何処かを見ながら言った。


ふわぁん

しばらくして、カレーのいい香りが漂ってきた。


美智が大きなカレー鍋のようなものを持ってみなの方にやって来た。

トンッ
テーブルの中央に、鍋を置く。

美智が言う。
「皆様もお食べになりたいと思いまして
鍋に致しましょうかと」

華夜がぽうっと顔を輝かせ、静朝も目を見開いた。

「お待ち下さいませ」
美智は再度奥に去って行った。


あ、そうそう。
遼一が軽く両手を叩いた。
「ここ(A層)では風が良く吹いてねぇ」

A層以外の人間は確実に体を壊すだろう、ということで
予防接種を打つのだそうだ。

(体を壊さないように)

めったにA層に人が来ることはないが・・・


え?
花宇「A層に人がいらっしゃることが、あるのですか?」
驚く花宇。


「ナイトライド・・・?だったかな?
何だっけあの人。ほら。えーと誰だったっけ
あの人。ほら、いたじゃん(誰に言ってんだ)」

遼一は誰かを必死に思い出しているようだ。


たまにね、来るんですよ。
ナイトライドさんは、、D層だったかな。
(色んな人が)たまに来ます。主が連れて来るんですが

と遼一。

当然、元の世界に帰す時は記憶を全部消去する。


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食後、1時間は経ないと注射は出来ない。

カレーうどんのようなへヴィなものを食べたため
2時間後くらいにしましょうか、ということで
2時間後に冴子の診療所を訪問しに来た一堂。


冴子の敷地内。
メイン島邸、医学的診療所内部:『注射室』


「全部混ざっている部屋」にいたのね
と見抜く冴子。
千条院邸の部屋のことである。

遼一「えーそうなんですか?」
とすっとぼける遼一。


冴子は看護師免許も持っている。

あれ?と花宇が疑問に思うほど注射はすぐに終わり、冴子は後始末をしている。

遼一さん
「あの『全部混ざっている部屋』に花宇さんを入れることで・・・
耐性を付けようとしてたのね」

静朝と華夜は反応した。
ポンッと手を叩き「なーるほど!」と声を上げる静朝。

遼一「だってみっちゃんがそうしろって・・・」

・・・

冴子らしい、少し落ち着きすぎではあるが、穏やかなリビングにてくつろぐ一同。

花宇「て、て、てててっ ててっ てー
あ、て、。・・・天空に浮かぶ城って、あの
どういうことなのかなって。あの・・・」

冴子「?」

「あ、あの。現実なのに天空に浮かんでるっていうのが」


・・・
冴子は言う。
「あなたが不思議に思うのも無理はないわ。
現実じゃないわね。
ここ、A層はエネルギーが巨大なの。
だから出来る芸当とも言えるわ」

室内は無音だったのに、急にクラッシックが流れてきた。
主の心が落ち着いている証拠なのかもしれない。

主の心がA層全体に音楽として流れる


冴子「・・・エメラルド・トゥリーも、主のエネルギーの一部に過ぎない・・・」

美智が手に何故か猫の形をした折り紙を持って言った。
「主様の力の、1/10000にも及ばない・・・途方も無い力なのに
もし、主様に嫌われたら、無にすらなれない」


・・・「優」は「劣」があるから存在出来る。
善、悪も同じ。
片方があるから存在出来るわ

冴子「・・・主は、それすら奪う・・・
「有」に転じるには「無」が必要なの

無、から生まれることすら、奪うのよ」

し・・・ん・・・



あ、そうそう!
ふとももをパンッ!と叩いて遼一が言った。

「そのエネルギーでね、あれあれ。ホラ
なんての。G層で言うところの「24時間空気循環システム」?」

24時間空気循環システムというものの強化版と、
掃除しなくてもいいようなシステム(G層では名称不明)を

A層全体に掛けていると説明した。

空気中に漂うちいさなちりを、一瞬にして無にするらしい。


主、、って何者なんだろう。
宇宙ですらないの?

花宇はくだけた顔になってしまった。


 

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