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めまぐるしく

小さな世界 > 第6章「休息」
 



気付くと、花宇は不思議な『歯車空間』に居た。

G層に行く直前にも、冴子と一緒に居た場所だ。
参照

花宇「(あの時は歯車の存在に気付かなかった・・・)」と
思う花宇。

竹流だけがいなく、冴子と彩海のみがいる。

竹流を軽く探そうと左右を見渡すと、

冴子が言った。
「竹流さんはいないわ
魔法使いの裁判官のような役割をしているから、魔法使いたちを監視したり、見張ったり・・・
そういうことをしているからすぐB層に行ったの」

彩海が扇を開いてパンパン、手で軽く叩きながら言った。
「魔法使いは力が強いから、『統治』する存在が必要。たけちゃんは大変なのよね・・・」



花宇「(あれ?何か大切なことを聞こうとしたのに。忘れてる)」

ゴッドン.....
ガガンッ ガガガンッ.....


・・・
パラッ...と書類をめくる冴子。

「G層に離れるにあたって、あなたの戸籍、あなたに関わってきた人物たちの記憶、
痕跡等を全て消去するわね

・・・キャラーズだけは少し、残しておくわ」

花宇「(G層のキャラーズにだけは少しだけでも、記憶が残るのか)」
ほっこりする花宇。


冴子「・・・G層について、お話しても宜しいかしら」

歯車の音が少し和らぐ。

そして地面の下がうっすら輝いた。うっすら・・・と。


冴子は穏やかに言う。
「様々な層の『キャラーズ』。全てが『大切な、地球一個分の価値よりも高い、物質であり、精神』。
地球はG層の世界の物理的呼称名・・・。

G層のキャラーズは、特に世界を現実にするために選ばれた、力の強い人形たちなの」


花宇は思った。
歯車の音を聞いて気が遠くなりそうで、ふわふわした感覚の中、リラックスして考えられたのだろう。

「(力が強いから、『バグ』っていう現象が起こりやすいのか・・・)」


冴子がやはり遠い目をする。
「妃羽さんが悪夢を見て、その都度キャラーズの誰かが彼女を助けて、そして目が覚める現象。
『力』、を感じるわ」



手を引かれ、黒になったり様々な色になったりするトンネルを、彩海と一緒に歩く花宇。

色んな形に変わるトンネル。
「(彩海さんと一緒だと、色んな感じやら色んな色とかに変わるんだよな〜)」
としみじみ思い出す花宇。




あ、、っぐ・・・

ドテッ

花宇はすさまじい疲れに、前かがみに倒れた。

20分程経ち、やっと起き上がると、、
ざざーん、ざざーん、、

・・・

金色の海。

夕日に輝いた海、と思われる。


しばらくボーッと体育座りで海を眺めていた花宇。

冷静になって・・・
その格好のまま気付いた。

「(そうだった。ナイトライドさん。D層の)」
さっと後ろを振り向いて、静止する。

「(ここ、D層なのかな?)」



ふと、遠くを見ると男性と女性、女の子が見えた。


女の子は四つんばいでうわ〜ん、などと言っていて、
それを男性と女性が「まぁまぁ」となだめている、そういう感じであった。

D層であるのかを聞きたいというのと、ナイトライド氏について聞きたいのもあって、
(D層、とそのまま言う訳ではない)
花宇は近付いた。


あやしくないように、と気を配り、、
彼らに聞く花宇。

・・・

ドスッ!
後ろに倒れんばかりに尻もちをつく花宇。


ここは「A層」だと言うことであった。


少女は浜辺から掘り出した、ボーイズラブの本を読み、あまりたくさん読んで精神が疲れてしまって
参ってしまった・・・のだと言う。
(※ボーイズラブ=美少年同士の恋愛もの)

女性「これは・・・」
男性「主様、これはいかんすよ(汗)」

少女はとても悔しそうな顔で言った。
「残酷もの以外だったら全部抑えておかないといけない、って思って」

男性はペラペラッと本をめくって言う。
「でもこれはやばいっしょ うっわー」


少女「でも真実の愛があるかもしれないじゃない?
そこでいい『キャラーズ』が見つかると思って」


女性「あ、あの すみませ」
花宇が無視?されているので、お、っと慌てて、女性が花宇の元に駆け寄った。


・・・
花宇が言った。
「ぬ、主・・・さま・・・?」
くだけた顔になっている。


少女はキョトンとした。
「だよー」


え?
「(え?え?え、え?)」
花宇は意味が分からなかった。

しかし千条院遼一の若さからすると、子供はこのくらいの歳、というのはしっくりくる。


バッ、と何故か正座する花宇・・・




 

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