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おおいなる

小さな世界 > 第6章「休息」
 



それは10分は掛かったかもしれない。
とても回りくどい言い方で、妃羽にあることを聞いた。


キョトン、とする妃羽。

「もう、暘谷さんのところから帰ってきたところぐらいから、
全然そういうことは・・・」

・・・

凍りつく花宇。

妃羽は笑って言う。
「だからそれは無いわ。御免ね、変なところ見せちゃって」


しくしくしくしく.....

砂の山を崩しては作り、崩しては作り、を繰り返してしょぼ〜〜んとする花宇。

・・・
妃羽は考えた。

「(子供が出来ると、夫と妻じゃなくて父と母になるよね。
ロマンチックさが薄れるような・・・

それにおこがましいけど この地球が、あの人との子な気がするの。
作りものの世界。
元々有ったけど、無かったG層。
私たちが有るものにしたんじゃ)」


作りものですら無かったG層。
作りものにさせたふたり。

作りものを現実のものにさせようとしている主。

・・・

くるっと振り向いて花宇が言った。
「こっ、子供は作っておいたほーがいいです!」

えっと
「(おばあちゃんが男の子ひとりだから)
男の子ひとりを!」

デッキチェアを倒しそうになる妃羽。
おっと、と直して・・・

小さな貝殻を拾って花宇に言った。

ざざーん.....

「まぁいいの そのうちね」
カラッとした声。


後ろは、ちょっとした森と林の中間ぐらいの地帯になっていて、
そこからくる木の葉がざーっと舞って、ふたりの背をぶつけていた。


花宇「え?」


・・・

花宇「そういう話聞いたことあります」


スーッと砂浜に絵を描く花宇。

A層はエネルギーが有って、B層という素晴らしい世界を創造出来た。
B層も主人公がC層というやはり素晴らしい世界を創った。

C層はD層という剣と魔法の世界を創った。

D層はE層を創った。

E層の主人公は母親への思慕エネルギーで、F層というプチ層を創造した。

G層はもともとあり、未存在世界として放置されていた。


スーッと描いていく花宇。


木の葉の乱舞が収まる。


要約。

1、A層から下に行くにつれて、エネルギーが落ちてゆく。
2、G層はもともとあった
3、自然の流れにより、E層がG層を創った、という事実が形作られた。

・・・

妃羽は思った。
「(G層を未存在から「作りもの」にしたのが私?
・・・でもそういうことになるよね)」

くだけた顔になる妃羽。
「・・・G層を完全に作りものにしようとしたり、今度は現実にしようとしたり。
主ってG層大好き?」


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バルコニーテラス。

花宇はワイン、妃羽はソフトドリンクを飲む。


それまで、
妃羽は本を返しに行き、花宇は出国手続きまでに済ませなければならない、
数々の手続きをしていた。
(花宇は表向き上海に帰国することになっている)

やっとまたふたりのんびり出来る時間が出来た。

空はオレンジとレッドの中間のようなとても綺麗な色をしていた。



選ばれた、素晴らしい生命体、『キャラーズ』。
彼らは、主の見た世界、聴いた世界、読んだ世界、色んな世界のメディアから抽出された「人形」だ。

1、ドラマ
2、映画
3、楽曲
4、小説
5、漫画
6、童話
7、絵本


同じメディア同士の『キャラーズ』は「同郷」という概念になる。


・・・
「だから、、暘谷さんと愛衣さんが似てる、、って思ったのは『同郷』だったから・・・」
妃羽は気付いた。


花宇は砂浜で「そういう話聞いたことあります」と言ったが、
A層の人間であるため、7層の知識をほぼ知っているから、であった。


G層は、、未生命層だった。
でもおふたりが「生命の層」にした。


でも
「(本当の子供も作って欲しいなぁ〜
おばあちゃんに説明が・・・)」
花宇は小さく悩んだ。


 

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