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有象無象

小さな世界 > 第6章「休息」
 



シュンユーは苦笑いをした。
首を左右に振り、「やれやれ」のポーズで歩く。

灰色だった洞窟が、真っ黒!になっている。

ちくちく微妙に刺してくる足元の砂粒。
たまにそれが、熱を帯びている。

かと思うと冷たい地面に触れることもある。

靴は履いている。


「ここが無層・・・。
くうっ、、」
思いっ切り奥歯を噛みしめるシュンユー。


バサァーッ!

大きな鴉がやってきて、竹流になった。

竹流「いや〜参った参った。すごいね」
奥〜に偵察に行っていたのだ。



無層、と勝手に名付けているだけで本当にある訳ではないが、
G層の下の、未生命たちがうごめいているところを呼んでいるふたり。



竹流はA層の「8徳」のうちのひとつ
『向上心』というものを持っている。

負けるか!という強い思いで、それがあまりに凄いと何にでもなれる。
無、以外なら。

竹流は未生命の頃から優れていて主の影武者に救われた存在である。
そしてそれに甘んじずに常に上を目指して生きている。

「G層に行けなくなった」という非常事態で、、
「行けないけど行きたい!」という願いが頭をもたげ、、
とうとう行けてしまった。

それが花宇と鴻日の話し合いの直前のあのお話である。


一生懸命吐き気をこらえながら歩くふたり。
常人なら、一発で眼の粘膜をやられて失明するだろうし、、
一気に皮膚がダメになるだろう
(どんだけ)

禅は普通に前を歩いている。


うげっ、とまた口元を押さえシュンユーが禅を見る。
彼女もまた、死ぬほどの負けず嫌いだ。
「さすが、、は。主の。影、、武者ね・・・」


無層に至った経緯―・・・。

妃羽の夢の中。
妃羽がいなくなった後。

妃羽の夢に現れるG層下の存在たちを探しに
奥の奥〜の方へと向かって、とうとうその巣窟の入り口らしき
場所に辿り着いたのだ。


禅は主からここに送り込まれたのだと言う。


何故主は禅をここに送り込む力が有りながら他の者たちを
つかわさないのだろう。

「(うぷっ ひとりしか送れないとか?)」
ひたすら治癒魔法を自身に掛けながら、色々考えるシュンユー。


竹流「大人数で行くと返って刺激しちゃうのかもね
しかしヤバイなこりゃ」


3本指の手やら、ツノの生えた存在やらが
グチョッ、グチョッ.....と地面からポコポコ出てきては引っ込んで、、という地帯に入った。

しかし、透明で全然見えなく、
「視える」と思うととても見えてしまう。

いない、と強く思えばいいのだが、
見えてしまう恐怖。


そのくらいの圧迫感と様々な <ありとあらゆるマイナス単語> 空気が支配していて
特にシュンユーは
いつもの生意気さは何処へ行ってしまったのか・・・青い顔をして前に進むのが精一杯だった。


何処かで休憩地点を探し、そこでひと息つこう、ということになった。


ある大きな区域で、シュンユーと竹流が攻撃魔法を唱え、
シュンユーの顔が変わり、大天狗になり槍で怒声を上げて突き刺した頃、、
(すっごい)
その区域の「ないもの」が一掃された。


はあっ・・・

変身が解け、ドサッと倒れるシュンユー。

竹流「(実は一番強い魔法使いってシュンちゃんだと思うんだよね絶対)」
毎度のことながら、シュンユーの鋭いキリのような攻撃魔法に圧倒的な
恐怖を感じる竹流。


(そのシュンユーを死の一歩手前まで追い詰めたことを忘れてる人)


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座って、両脚をバタバタさせるシュンユー。

全員、シュンユーの持ってきた「ミスティー・レッド(攻撃力が増す)」を食べていた。

「・・・無理ね。悔しいけど」
シュンユーが言う。


珍しく禅が逆らわなかった。


あまりにも略な無層(という名前は無いが)に、「これは無理」だと判断、
竹流の力でシュンユーと禅をG層から出し、それぞれが元の世界に戻った。


何年掛かっても無理だろう、ということになって
3人とも諦めた。

「あたしにっ、、あたしにっ、、出来ないことがあるなんてえっ」
ものすごい負けず嫌いぶりである。

・・・

シュンユーは悔し涙を初めてじわっとさせ、
諦めた・・・。


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竹流「(でも結局、頑張って勉強してるんだよね)」

すぐに立ち直り、数々の攻撃魔法の本たちを読み漁り、攻撃魔法練習所で魔法の訓練をするシュンユー。


・・・

「(じゃあちょっくらちょいとちょ〜いと。D層。花宇さんをD層に連れて行きますか!)」
立ち上がった瞬間に足がしびれて「う〜いてててて」と叫ぶ、竹流。


 

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