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未生命

小さな世界 > 第5章「知られざる」
 



妃羽「未生命?」


何か。
目の前の正は、かなり驚いている妃羽に疑問を持った。

「御免なさい、何か覚えがあるような・・・
聞いたことがある?ような」

・・・

妃羽私室。


昼間に、俐人に命じられて妃羽の体調を気づかうために妃羽に会いに行った正。

「(自分で会いに行かないのは何か事情があるからなんだろうな)」
ミキと一緒に会いに行った。

庭の仕事をしているかピアノの作曲をしているかなのだが、
何処にもいない。

妃羽の私室をノックし、しーんとなっているのを、、悩んだ挙句に入った正。
(先にミキを入らせた)


そこには、あからさまに体調の悪そうな妃羽が熟睡していた。
ミキが起こし、妃羽は「ダメ、、眠い。起きれない」と言った。

どうやら今日はずっと飲まず食わずだったらしい。

・・・

正は何かを感じて、ミキと一緒に夜また来ます。お伝えしたいことがありますので。
と言って去って行った。



現在。

妃羽「(ホイホイ私室に通しちゃう程、この人って緊張感解いちゃうのね、、)」
面白い妃羽。

正は言った。

未生命なるものが増えすぎて、妃羽が攻撃を受けている。
まさかこんな事態が起こるなんて有り得ないから、対処方法が分からない。

という感じのことをだ。

妃羽「未生命?」
冒頭、という訳だ。


チョキを出して正は説明する。

1、精子
2、胎児

「いずれかです」
落ち着いて言う正。

1、は細胞として通常は認識されるが、未生命という名で認識される場合もあると言う。

ギリギリ「生命」。という訳だ。


正「人が生まれる確率は無に等しい。
生まれることの出来なかった存在が妃羽さんを・・・」

1、或るいは2、が「数の暴力」で妃羽を攻撃していると言う。
どちらもかも。と正。


「人間の質が落ちて来ているようです。どうやら」

妃羽「え?」

通常こんなことは絶対に有り得ないのです。
オカルトですし、科学的に有り得ない。

正が言うには、
1、未生命の量の増加
2、人間の質の低下


そのふたつの要素が、未生命→生命 への攻撃が『可』になる原因を作っていると言う。


妃羽への攻撃だけではなく、
いずれ地球の状態そのものにも影響する、と語る。


妃羽「そんなに、、G層って段々人間の、、色んなものが壊れていっているのですね」
(それが、私という(ユウいわく)主人公に反映されてるのか・・・)

すぐに妃羽は話を信じた。

・・・

間合いを見て、妃羽は言った。


「あ、あなたは何者ですか。正樹さん
い、色々知ってるし、G層、って言葉にツッコみ入れないし
だ、誰なの?」

持ってきたお酒を徳利(とっくり)に注ぎながら正は言った。
「(これは、正直に言った方がいいのだろうか
しかし返って混乱を招かないか?)」
ミキはお酒お酒、とパシパシッと正を叩いた。

「ミキ、ウマはお酒を飲んだらお腹壊しちゃうからね」
優しく言う正。
そうなのー・・・という顔でしょんぼりするミキ。


妃羽は言った。
「正樹さん、あなたは、、そういえば執事になる前は日本で薬剤師をやってらしたとか」
そうだ、そう聞いたことがある。と思う妃羽。

正「やってましたよ」

興奮しすぎて鼻水が出る妃羽。
チーン、と鼻をかんだ。

正『東洋医学では、風邪の一歩手前を「未病」と言います。
風邪ひきそう、と思ったら「葛根湯(かっこんとう)」を。どうぞ』

↑かつての言葉

「(そういえば言ってた)」としみじみと思い出す妃羽。


「E層というところです」
ひとくち呑んで言う正。

「イーソー(麻雀パイ)に似てる、と思って過ごしてきて、
ある日彩海さんという方が空から降りて来ました」

層世界の秘密は小さい頃に何となく気付いたという。

「オカルトとか超常現象とか疑ってなかったから
それで何でもかんでも吸収していたらこう なった」


妃羽は、全く疑わなかった。
そらそーだ。




 

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