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ひとつ下

小さな世界 > 第4章「global」
 



目の前には倒れているシュンユーと、
彼女を抱き上げている男性がいた。

凍ってしまって動けない花宇。

そもそもこれは映画のような映像で、自分はただの透明な傍観者のような、、錯覚に陥る。


「うあっ!」
空間が歪むような妙な感覚。


次の瞬間、シュンユーが黒い布を被った男性とピトリ.....と抱き合うような
色っぽい姿が映し出された。

シュンユー「おかえり、花宇」

シュンユーにくっついている男性が言った。
「そういえばA層ってどんな感じだったの?」


シュンユーは人差し指で「めっ」と男性に言った。

不知(しらず)の世界は知らなくていいの。
興味持ってもどうしようもないわ

男性「だってさー何か興味があって」

シュンユー「知ったところで別にいいわ」
スッ...と男性から離れるシュンユー。


後ろの男性は「竹流」。
本当の姿なの。


シュンユー「あなたはA層の人間。
私たちより立場が上になったわ

どう?この世界のコト、良く分かる?」
挑発するように言うシュンユー。

・・・

そっと下を向く花宇。


シュンユーも下を向く。

「悔しいわ。私でも読破出来ないもの(書物)を全部識(し)っちゃえてるなんて」


ビクッとする花宇。

清子・・・いえ、「花宇(ふぁうー)」なのよね。
言い聞かせるように言うシュンユー。

少し遠くに行き、ミラティ・パープルを持ってくる彼女。


霧のようなものなのだが、圧縮も出来る食べ物である。
「これ、知ってるのよね」

竹流は何故か落ち着いて、後ろの大きな椅子に座っている。


妬み?なのかしら。どうしよう・・・
少し不安になる花宇だったが。

花宇「ミラティ・パープルはB層の食べ物です。
霞(かすみ)で出来ています。
ですが、ミスティ(霧)の名を冠し・・・
他に、『ミスティ・ブルー』『ミスティ・レッド』
などの食べ物があり・・・」

目を見開くシュンユーと竹流。

花宇「飲み物を、『ミスティー』、つまり『ミスティ・ティー』と呼びます」

ガタッ
シュンユーが後ろに倒れて竹流のいるテーブルにぶつけた。


魔法使いの正体は、私たちの世界の概念ですが、『仙人』と呼ばれるものです。
霞を食い、仙術・・・魔術を使います。


余裕の笑みに戻ったシュンユーはすぐ後ろの竹流に寄り添った。

ふたりとも何も言わない。


魔法使いは悪い魔法を使う。あやしい存在である。
でも違うのだ。
殺生を好まず「霞」というものを食することでひとつの生命の養分を奪うことなく
知識を吸収、それを「自分のため」ではなく「他者のため」に使う

そういう存在なのだ。


『仙人』とも言われてるわね、確かに・・・。
とシュンユー。

C層の人間たち以下の人間たちは『仙人(魔法使い)』に憧れて?いるわね

遥か昔、何千年前に高い山に仙人という存在がいたかもしれない。
下の層ではそんな「言い伝え」のようなものがある。


私は「シュンユー」。
この世界の魔法使い。

「そして」
「この『竹流』はA層の人間なの。私だけじゃとても無理だから
助けに来てくれたの」

竹流「いや、あのね。思いっきり正体バラしてるよねー
それはいかんよ」

・・・
目が点になる花宇。



「(あれ?『そういえばA層ってどんな感じだったの?』
『だってさー何か興味があって』・・・
って言ってたのに)」

その疑問を言ってみると、
「え?そうだったっけ?あれー?私A層だっけ?」
シュンユーが言う。
「そう。たけちゃんはA層の人なの。すっとぼけちゃったけど」



もう何が何だか訳が分からない。
なるほどーと知る部分もある反面、益々意味が分からなくなるものが頭の中に入ってゆく。

「(でも、沙耶子さんにばかり頼りたくない。封印←出来るのか? しとこっ)」


大切なことを言うわ。
シュンユーが冷たい声が言った

主は多大な精神力を使ってでも私を完全に完成させられなかった。
世界(B層)は作れても。

だから、A層から竹流を私の元につかわせたの。


シュンユー「だから、いつか私を助けて欲しいのよ」
少しアンニュイな感じで言うシュンユー。


もっ
花宇「もちろんです!」
花宇は明るく答えた。


バサッ

何かの本が落ちる。

『音楽の世界』


 

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