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診療所?にて

小さな世界 > 第4章「global」
 



何処かの落ち着いた診療所のような場所。
広くてとても綺麗である。

花宇「(本がたくさんあるー)」


冴子と諭弦がそれぞれ別のデスクに腰掛けている中、何故か花宇だけはぽよんぽよんの柔らかいベッドに座っている。


諭弦「リラックスなさったようなのでご説明しますね」

キィ.....
冴子が椅子を回して言った。
「分からないことがあったら何でも聞いて頂戴」

花宇「は、はぁ・・・」


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A層の人間は10人。

花宇が増えたことで「11人」になった。

諭弦(ゆづる)は主(ぬし)が創った精霊で、
人としてカウントされない。


冴子「今のところあなたが分かっているのはこの方々ね」

冴子がメモに文字を書く。
・主
・千条院氏
・冴子(私)
・花宇さん

そのメモを見て、これだ。と思う花宇。


冴子は言った。
「いずれ残りの人間たちも分かるわ」


ポウッ.......

冴子が諭弦に振り返る。

諭弦がとても美しい欠片を出した。

「どうぞ、こちらを」
諭弦がクリスタルを花宇に差し出した。

冴子「危険じゃないかしら
C層の人間にA層の『証』を埋め込むのは」

ビクッとする花宇。
「(え、えーっ 何?A層の証?)」

・・・
「失礼。元、C層だったわね」
言い直す冴子。

「きっと大丈夫ですよ。
冴子さんがいるし」
ぐるんっ、と冴子に向き直る諭弦。

ポウッ.......

冷たくもなく、温かくもない。
とっても変な感じだ。




「自身の胸に埋め込んで下さい」と言う諭弦。

グスッ!
ためらいもなくクリスタルを胸に突き刺す花宇。

スッ.....
痛みも何も無く、クリスタルは入っていった。

呆然としている花宇に(今更)諭弦が言った。


『A層住人、『花宇』。証明完了』です。


これから、
B層〜G層を通り、「あの方の意思を感じ、そして最終的に「シュンユーさん」を助けて下さい・・・」



花宇は立ち上がった。
「待って下さい。説明が何ひとつありません。
シュンユーさんを助けるって。
どうして?何が何だか」

もっともである。

・・・

冴子は一呼吸置いて言った。

「7層の世界は『糸』が必要なの。そして『秘密管理人』と呼称される『背骨』。
形が定まっていないと成す術がないの。

想像してみて頂戴。7つのグミのようなものがあるわ。
そのままだと倒れてしまう。
だから糸を通して、それぞれに『背骨』も作るの。

それからなのよ。シュンユーさんのやることは」


花宇「えっと、、『背骨』があれば『糸』は要らないのではないですか?」

冴子は言う。
「・・・層ごとの『背骨』はあくまで層を強くするためのもの。
上と下との繋がりを強固にするためのきっかけに過ぎない・・・

繋げる、ものじゃないの」

・・・

強固にするものが『背骨』
繋げるのが『糸』


花宇「(それがシュンユーさんと何の関係が?
主さんの目的って・・・)」


諭弦が優しく言った。
「何かあれば、いつでも何処でもあなたをお助けに参ります。
わたくしを、いつでも頼って下さい」


・・・

「は、はぁ・・・」
あまりに優しい言葉に疑問になる花宇だ。

冴子「彼は誰にでもこうなの。
『優しい存在』って主に創られたのよ」


なるほど。と思うと同時に、主の『人間に対する不信感』だとか『期待をだいぶ捨てている』
という意思を感じて一瞬だけ切なくなる花宇。。



・・・
薄れゆく意識。

「(まぁ、沙耶子さんが何とかしてくれる・・・)」
と思い沈みゆく花宇。


 

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