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謎宇

小さな世界 > 第4章「global」
 

 

愛花「(たまに、私の人生を物語みたいに読んでいる?幻影を感じることがあった)」

そうだとしたら、もし「仮」にそうだとしたら。
外の、、空の上の世界は『C層』、か。

愛花の元々の世界は『D層』


『花宇(ふぁうー)、清子(さやこ)と申します。
こちらからですとそちらは『神々の黄昏』という小説の世界です。
私は愛花さんの大ファンです。
本当に大好きです。
誕生日にささやかながらちょっとしたものを。
気に入って下さると嬉しいのですが。

あ、D層で発掘(嘘)されたものです』

D層にまた行きます。

『糸』として。
糸は後ほどご説明致します。


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頭の中に謎の声が聞こえ、(というか響き)
呆然としていたら「今!Happy Birthday to Me!ですよ」と理々。

裕也「いけー!」と裕也も右手を振り上げた。


「(手の込んだいたずらかもしれない)」
警戒する愛花
・・・だったが。

『本当に大好きです』

ズキッ!

謎の声を思い出して胸が痛んだ。

『本当に大好きです』


・・・



鉄の箱の中には、手足の生えた5つのボトルがあった。


そしてたくさんの・・・美しい小物たち。花。

・・・




愛花は後ずさった。


「嗚呼!」


しゃがみ込み、号泣する愛花。


「ママ・・・!ママなんだね!知らなかった!
知らなかったよ!全然・・・」



理々と裕也は驚いた。
クールな愛花が泣く姿を始めて見たからである。


作ったのは天才科学者であろうが、
作るのを頼んだのは間違いなく愛花の母親、とのことだった。


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グラグリーン草原。
グリーン色がグラデーションになっている。

ぽかぽか陽気がとても気持ち良い。

ポロポロニャンという猫そっくりの生き物が数匹でごろごろと
日向ぼっこしていた。


愛花「・・・2年前か」

2年前にこの世界に「花宇(ふぁうー)」という名前の女性がいた。
目立つので目立たない服装をしていた。

理々「私の読んでいる『小さな世界』という本に「花宇」さんという方が出てきていました。
でも、2年前にここ、F層にいた・・・」


混乱するふたり。

・・・

D層に少し前『目立つ人間マニュアル』という妙なものが作られ、
F層にも同じようなものが作られたと言う。

可能性は分からないが、色んな層にその人物がいた、かもしれない。


愛花「話していいか」

え?
理々が振り向いた。

自分の人生が、物語か何かのように誰かに見られているような幻影がたまにあったと。
『層』について勉強してからは特に何とも思わなくなった。


「花宇、その女が私を「私の人生を読んでいた」C層の女かもしれない」


愛花はフイッと横を向いた。
「私は本当の両親に育てられていない」


何処かの層で私を身ごもり、D層で生んだ。
何らかの事情で別の層に行ってしまったのだろう


・・・
何を言っていいか分からなくて固まる理々。


愛花「私はもういい。愛情も何も要らない。一生。
あの時、私は!一生分の愛を・・・得た・・・」


どうしてどうして!どうして私を捨てたの!
何で何もくれなかったの!悲しかった!

もう訳なんてどうでもいい。
私はもう、全てを許す。

どうしても仕方が無い、どうしてもしょうがない理由があったんだ


あの時の 光が出るような鉄の箱。 それを見た時に
愛花は顔をゆるめ、全てを知ったのだった。

眩しいなんて形容詞すら足りないくらいの、母親の愛を・・・


5本のボトル。
騎士系最上職、エンペリシャスになれる薬であった。
(手足生えてるけど)



青くなっている理々に愛花が声を掛けた。

あ・・・
花宇、さんて若いのですよ。
子供生むなんて。
いたら今頃育ててるはず

(間)

バサッと体を横たえる愛花。

理々「でも、幼な妻とか、そういうのではないと思います!」

愛花「何か・・・あるんだな」


・・・

愛花「でも、ママは可愛かったよ
理想の女だった」

理々はすぐに答えた。
「うん!愛花さんのお母さんだもん!」


G層にいて、F層にいて、D層にいた可能性があって、C層の人間ぽい。
物語上ではA層の花宇です、と紹介していた。
そして愛花の母親。

花宇という存在が、とても不思議なものに思えてくるふたり。
そっと、空に手を伸ばす愛花。


 

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