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観光旅行

小さな世界 > 第4章「global」
 



花宇「え?」

とある火山の観光地。

「リズドルとフェーフェの日なら、その日に行きましょう!」
観光旅行の誘いである。

リズドルとフェーフェは
現実世界で言うところの「曜日」の呼び名である。

(木曜日とか金曜日とか)


この世界は、『冒険者』と『一般人』の2種類がある。

冒険者は、体を鍛えて世界に徘徊するモンスターと呼ばれると呼ばれる生き物を倒し、
体内から出てくる金塊を換金し、そのお金で生活。

一般人は学術機関を経て企業等で賃金を稼ぎ、生活する。


たいていはどちらかを選び生活するが、両立する者もいる。


花宇は『一般人』、アルドヘルムは『冒険者』、クリスティンは『両立者』
であった。

アルドヘルム「いもむとさん(クリスティン)が旅行会社に勤めてるから、
そこでいいチケットをぶんどる!」


・・・


一連の話を聞き、『休憩させてあげたい』『ひと息つかせてあげたい』
と強く思ったアルドヘルムとクリスティン。

糸、としての使命で、息つく暇もなく次ぎは『F層』なるところに行かなければいかない・・・
という花宇に観光旅行の話を持ち掛けたのだ。


アルドヘルム「まずキュービック王国、、回るのが大変!まぁいいや」
クリスティン「次にボロン共和国、チケット取れるかしら
で、ナイトライド教国」

(ナイトライド氏と同じ名前)

花宇「あの・・・(汗)」

とても落ち着いた旅行代理店。
神聖な空気に満ち溢れているのは、プリースト系冒険者の両立者が多いからだろう。

個室なので他の人間に迷惑が掛かることはない。

「うーんと」「えー?」

・・・
花宇を無視してふたりは詳しい旅行の行き先を丁寧に考えていた。


クリスティンが振り返る。
「1:キュービック王国、2:ボロン共和国、3:ナイトライド教国。
大国3つね。
んで、後は色んな小さな島々」


え?
表を見せられた花宇は仰天した。

「回るところが多すぎます。。
特に島のところが・・・」

クリスティン「いいのいいの。花宇さんの食堂のところにはちゃーんと上手く言っておくから♪」

花宇「(そういう問題じゃない・・・)」

アルドヘルム「待てよ。観光疲れで返ってひと息つけないかも!
のんびり行きましょう」

花宇は急いで言った。
「く、クリスティンさんはこんなに長く私のために休んでいいのですか!」

笑顔でクリスティンが言う。
「支店長にはちゃんとアルドヘルムさんが説明してくれたの。
特別な理由だからガッツリ行って来いって♪」

数日前のことを思い出す彼女。

アルドヘルムが摩訶不思議なこの世界のことを旅行会社の支店長に説明。
あまりの説得力に普通に許してくれたのだ。

支店長『私が何層に住まうかは全て、世界の大きな存在の御心です。
あなたのお話も、とても興味深い。私は信じます。
あなたに幸せがありますよう』

どう考えても神父様の言葉だが、旅行会社の支店長である。




でっかい崖。
そこに格好良く立つアルドヘルム。

「この先、辛いことがあるかもしれない。
いや、あるだろう。
でも辛いのは必然」


クリスティン「・・・」

振り返って言うアルドヘルム。

「辛さを感じるのは生きてるからだ。
受け止める能力が無ければ、そもそも「生」自体発生していないでしょう」

生きることは辛さを受け止める能力・・・証を持っている、ということです。

・・・
クリスティンが言った。「チケットを持ってるってことよね」


アルドヘルムが言う。
「花宇さん、辛かったら、『生きてるチケットを持ってる』って、そう思いなよ」



ピッ!
感動する間もなく、アルドヘルムとクリスティンが人差し指を同時に上げた。

アルドヘルム「花宇さんは美人だから危ない!(口調が戻ってる)変なのが寄ってきそう」
クリスティン「設定とはいえ、、これは。返って危ない。守るための設定だったのに うーん」


「鼻めがね掛ければいいのでは!」
クリスティン「ちょっと!返って目立つわよ」

花宇「・・・(汗)」
(汗、ばっかりだ)


アルドヘルム「これからひと仕事してくる(糸としての役割・・・)のにこれは大変だ!
ある意味辛い!」


くるっと背を向けて花宇は思った。
「(さっき・・・あれだけ格好良いこと言ってたのに)」


・・・


ここは花畑だ。


あっという間の旅行。
具合悪い振りをして進みを遅くしようかな、などと子供っぽいことを考えていた数週間前が懐かしい。

花宇「(ある意味、主の仕業なんじゃないか?有り得る・・・)」
少し考える花宇。



ふと横を見ると、す〜っと寝ているアルドヘルムとクリスティンの姿があった。


 

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