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足りないもの

小さな世界 > 第3章「ミルフィーユ」
 



花宇「愛!です」
その日、ぐっと妃羽に顔を向けて花宇が言った。

あ、愛って
妃羽「ど、どういう・・・」


正「花宇さん。こちらに来て下さい」
廊下の遠くで正が花宇を呼んだ。

くるっと体を回して「はいっ」と小走りで行こうとする花宇。


豪華な廊下。
魏邸である。


妃羽私室にノックが入った。

ガチャッ


すごい笑顔で正と話す妃羽。

「散らかってますが、どうぞー」

正「あ、どうも」
ゴロゴロとユウも機嫌が良さそうに正のひざの上に丸まった。

・・・という訳でして。
やはり爺さんのように落ち着いて言う正。
(※実際は36歳)


音楽・・・
奏でるのを控える

私が特異な存在だから・・・


正は全く沈黙に動じず、ユウを撫で続けていた。


・・・

妃羽「はい・・・」
下を向いて妃羽は言う。


私が好きなのは「本」だし
考える妃羽。


何も動じない正。

正樹さん。
妃羽は呼び掛けた(呼び掛けた)。

正「何でしょう」


その
「(この世界の秘密を知っているのかな。
でも私を変な目で見そうだし)」

「(音楽のことでどうこう(皆が)なってしまうのは
知っているみたいだけど)」

サッと立ち上がり、マシュマロ持ってきます、と奥の方に歩いてゆく妃羽。

正「(・・・酷だったか
しかし多人数と個人だったら、多人数を取るよな)」

ユウ「ニャーッニャー」ガリガリッ
すっかり正に懐いているユウ。


おまたせしました。
「マシュマロと、アールグレイです」

いつも笑顔の妃羽。
本当に正が大好きなのだ。

父と母が早くに他界し、叔母夫妻に育てられたせいか
『父親』というものに憧れがあるせいだろう。
(正は『祖父』っぽいが・・・)

「あれ、さっきまで晴れだったのに曇ってる」

「雨になるでしょうね」と正。


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正「うむ 端的に挙げますと
こういうような・・・」

1、音楽は控える
2、皆が変になるのはオカルティックな力が働くせい
3、司書の仕事を頑張る
4、正樹さんと仲良くなりたい(家族がいないから)


妃羽「はい」

答え。
1、特にピアノは止めた方がいい
2、オカルトは信じる。危険が降りかからなければそれでいい
3、うん
4、俐人様が怒るからダメ


緑茶が良かったな、と思う正。

とてものんびりした空気が漂う、妃羽私室。
グレイの空気がことごとく換気されたようであった。


正は言った。

表現がどうという話を聞きました。
それは言い訳で、俐人様を愛してない

・・・もっと言うと誰のことも愛してない


ビカッ!!

正「・・・雨どころか雷が来たか・・・」


和んでいいのかどうなのか混沌な気持ちになる妃羽。


 

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