現代ファンタジーのオンライン小説 - ものもの

始まり

小さな世界 > 第2章「パン・オンライン」
 



う"っ

理々は後ずさりした。

理々「(勝てない・・・)」
唇をかむ彼女。


さわっ・・・

草原に風が吹く。

ひゅんひゅんひゅんっ
女性は剣を振り回した。

「リリ、という名前。さっき張り紙にあった」

・・・


口をパクパクしていた理々だったが・・・
理々「あ、あなたは何者?わ、私がプログラムってどういう・・・」

キラン..

女性の水色の瞳が光る。

ひゅんひゅんっ

女性は剣の先を理々に向けた。

・・・
「もう
この世界から簡単に抜けられない。分かるか?」

無表情で言い切る女性。

裕也が真っ青になった。
ガサッと動き、言った。

「君は、、、『愛花(あいか)』?」

・・・

無音で女性は言う。
『そう』

ビクゥッ!
裕也は総毛だった。

裕也の様子を勘付いたのか理々が振り向く。

「せ、せんせ?」


あ、、、

四つんばいでガサガサ逃げようとする裕也。

せ、
「先生ったら!どうしたの?」
理々が裕也の上着をひっつかむ。


裕也「あれ、、確か無敵の剣士・・・」


愛花と呼ばれた女性が声を掛ける。
「待て。別に取って食おうってんじゃない」


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パチパチと焚き火。

モンスター(食用)の肉を焼いて食べる3人。


2時間前。

愛花『色々と案内しに来た。困ってるようだったから』
理々『え、え?』
いぶかしげな理々。

裕也『あ、あなたのような大物が・・・』

『愛花』の名にとてもビクビクしている裕也。

・・・
愛花は語った。

『この世界はただの三次元ゲームじゃ、ない。
ここはひとつの「ある世界」なんだ』


すっかり疲れ果てる理々と裕也。

ログアウト出来ない・・・
ゲームを終了して現実世界に戻ることが出来ないことに愕然としたのである。

他のプレイヤーも?
と質問する気力すら無くなっていた。


お酒の入った回復剤を飲みながら続ける愛花。


この世界は作りものの世界だ。
このゲームの世界は勿論、現実の世界も作りもの。
あらゆる世界がある。
全部作りものだ。
だから、一旦『違う世界』に足を踏み入れたら、

愛花『戻って来れない』

作りものな分、しっかり世界を保とうとして
他の世界と混じらないようにしているのだという。

他の世界に行ってしまった場合、その世界に閉じ込められる形になり
容易には戻って来れない


現―・・・

精神が消耗しつつも、愛花の言葉を頭に入れ、
愛花の強大な吸引力にするすると何もかも信じていく理々と裕也。

すっかり緊張感がなくなり、段々と眠くなってゆくふたり。

愛花の憂いを帯びた表情を見て裕也が言った。

裕也「そういえば愛花さんは、、あ、あの。あの、愛花さんの世界から?」

パチパチと焚き火が燃える。

その赤い光と、水色の瞳が合わさる。

「そうだな・・・
強くなりたくて」


しばらくして。
3人はコテージを出すアイテムでコテージを出し、それぞれ寝た。
(宿屋で寝るが一般。お金に余裕があるプレイヤーはテントやコテージ出現アイテムで休む)


次の日の朝。

裕也「えー?時間は経ってないの?」

愛花が答える。
愛花「世界が違うからな。同じ時間で回ってる訳がない」

・・・

理々の顔がパアッと明るくなった。

「じゃあ、時間は気にすることないんですね!」
わーい!
万歳をする彼女。


愛花は言った。
「さ、元の世界に帰るぞ」

ひたすら、模索して、、世界から逃れて浮上しようとする愛花。


 

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