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偽物のような

小さな世界 > 第1章「妃羽」
 



バリッ

ビクッとする妃羽。

バリバリビリッ

バリバリッ


数日前。

妃羽「い、意味が分かりません」

どうして?


部屋が、建築前の何もない部屋のように思える。

或いは、混沌とした渦巻き部屋のようにも見える。


しぃ・・・ん



これは?何故?
せっ説明をして下さい

何処かの殺風景な、何もない部屋。

サングラスを掛けた白衣の男が妃羽の目の前に、背を向けて立っている。

男「それが、命令だ
君に選択権はない」

・・・


現在。

妃羽「(・・・分かってンだから。罰ゲーム?だって。
・・・あんな真面目な振りしちゃってさ。
どうせ後で笑い者にするんでしょうが)」


床に散らばった、書類たち。

『我感致光栄, 但我拒絶』
(光栄ですが、辞退します)

見事にまっぷたつに裂かれている。

俐人「君・・・厭?」
普通に言う俐人。


男性(会社員)『あ、えーと『デゥネッサの慟哭』、これを』
妃羽『あ、はい。遅くなりますが』
男性『済みませんねー』

女性(70代)『あ、お姉さん これ』
妃羽『あ、はい』
女性『お城の本ね、あたしだ〜い好きなのよ』
妃羽『ええ、これお預かりしますね』










俐人「妃羽・・・」

ハッ
パッと顔を上げる妃羽。


妃羽は目の前の向こうで背を向けて立っている俐人を見た。

俐人「司書か?」

妃羽「(考えてることが見抜かれてるっ)え、・・・そうではないん、ですけど)」


俐人「君に、選択権は、ない」

俐人「私にも・・・」


妃羽は後半の小さなつぶやきを聞いた。

カサッ

『我拒絶(辞退します)』

妃羽は裂かれたその文字を見た。


「(おかしい。何かがおかしい)」
シチュエーションなどが、有り得ない方向にばかり行っているのである。


妃羽「(何なのこの世界。おかしい・・・)」
現実を認めたくない。


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そこではただ、もの、と有機体があるだけで。
妃羽の中では『何もないもの』であった。



それから数日間、妃羽は
1、精神的に俐人から離れる方法
2、物理的に俐人から離れる方法
を考えて


妃羽「(えーっと、、他には、、)」
メモを書いていた。

ニャ〜ア


窓を開けると、野良猫『ユウ(愛称)』がベランダにいた。

ユウ「何やってんのさ」 スタッと部屋に降り、妃羽の精神に語り掛けた。

・・・

猫って普通語り掛けないよね?
妃羽が情けない声を出す。

ユウ「いまさら何言ってるんだよ 疲れてるのか?」
ユウが言う。

妃羽「分かってるの。分かってるんだけど・・・」

ユウは妃羽がここに引っ越してきたばかり、縁があって部屋で看病して仲良く?なった猫であった。
喧嘩が好きな一匹狼で、(猫だけど)それゆえ縄張りのボスとしょっちゅう戦っているのである。
(喧嘩が強くてNo.1になれるが、ボスになりたがらない)


ユウ「なーに断ってるんだよ!
断る意味が分からねえ)」

妃羽「だっておかしいでしょ!俐人様が」


ひと通り事情を聞いたユウ。

ユウ「ふーん」

紙に書いたものを指でさし、
妃羽が色々と説明していた。


(間)


妃羽「ユウってば過保護?よー」

ユウ「見てらんねーんだよちくしょう。おかしいだろ!
普通は喜ぶんだっつの
おまえさんは頭がおかしいんじゃないのか?」

その日、心配になってユウが一緒に寝た。

妃羽がふてくされていると、、
ユウ「何だか分かんねーけど、うまく行くよきっと」
とユウが言った。


気付くと妃羽は寝ていた。

ユウ「現金なやつめ。・・・元気でいろよ」

どうやって今度は会いに行くか・・・を算段するユウであった。


 

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