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FRにて

小さな世界 > 第1章「妃羽」
 



その日、暘谷の帰宅はとても遅かった。

『と言う訳で、、えーと何だっけ。
そう、ここを押して下さい。
それで・・・』

昨日のGPSの会話を思い出す妃羽。

・・・

妃羽『私はちゃんと助かりますか?俐人様に引き渡したりしませんか?』

もの凄く青くなる暘谷。

『(そっ そんな風には到底見えないけど、そんなに凄いのかー?)』

暘谷『(関わりたくねぇ・・・)』

しーん ←コメディからシリアスへ移る音

・・・

思い出し怒りをする。

妃羽「(信じてくれてないのね・・・)」

パサッと布団を整える妃羽。
窓から月が見える。



(数分後。ベッドの中)


・・・

妃羽「(何か色々あったなー。
バタバタと・・・)」


俐人『何故惹かれたのか。惹かれるべくして惹かれたのだろう
ただ、当たり前のように求めていた


「・・・」
考える妃羽。


私がおかしいのかな?
何かすれちがっているような気がする

「(私も、どちらも・・・いや、私がおかしい?のかな
訳が分からない)」
こんがらがる妃羽。


パチッと目が覚めて

妃羽「(暘谷さん、いつ帰ってくるんだろ、、)」
と思う妃羽。

『暘谷さんは、細かすぎます!
融通が利かないって言うか』

暘谷『うるせーな じゃあてめーがやれ!←短気』

妃羽『元々私がやるって・・・っ(汗)』

暘谷『分かったからそこ座ってて。分かったから・・・(疲)』

妃羽=怒られすぎてドン引き。反省も出来ない
暘谷=うるさい奴だな、と嫌い度がかなり上がった


妃羽「(あっ)」

暘谷『これっ 俺の部屋の鍵です』チャリッ

『これで俺の部屋に篭城(ろうじょう)すれば多分大丈夫でしょう
汚くしたら殺しますよ』

妃羽『うわー、有難う御座います!』


妃羽「(そうか。昨日そう言われて。
鍵どこだろ)」

慌てて鍵を見つける妃羽。

小さいが落ち着いたホワイト・クリームの部屋。
とても心強く、温かく感じる妃羽。

チャッ

それがやはり大きな茶系色のクローゼットから出てきたのだが

妃羽「(何か、コテコテとした・・・神経質そうな造り・・・)」


妃羽「(勝手に、、入っていいのかな?
・・・まぁ、入ろう)」
暘谷の部屋に遠慮がちに立つ妃羽。


すぐ右隣に暘谷の私室がある。
そこはいつも別世界が広がり、通称「FR(ファーストクラス・ルーム)」と呼ばれている。
キチッとしすぎて、そのさまがまるで飛行機のファーストクラスのようだから、ということだ。


えーっと、、
妃羽は部屋を見渡した。


「(私はエコノミークラス・・・以下・・・よね)」
しばし固まる妃羽。

ハッ
たくさんの本が並んでいる場所を見つけた彼女。


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午前0時。

ったまいてぇ〜っ
呑んだ訳でもないのに・・・

暘谷が帰ってきた。


使用人たちは3人、ひとりは産休だ。

トマトとレタス、トマトは優しい奴だからずっと待ってただろうな。
(↑愛称)

トマトもレタスも長い名前のため、略されてしまった。

有能なので本家中国からはるばる連れてきたのだ。


館までの道、「(帰ったら煙草でも吸うか・・・)」と思いながら
白樺並木を歩く暘谷。


え?
私室に足を踏み入れる暘谷。

暘谷「何やってんのー?おいっ!」

暘谷のベッドで図鑑と一緒に寝ている妃羽を見つけて声を掛ける暘谷。

ぎしっ

「あっ もう帰って来てたんですね。おかえりなさい」

ベッドの中の妃羽が言う。


暘谷「え、何か?何かあったんすか?
まさか俐人様が俐人様が」

暘谷は荷物を置き、妃羽に駆け寄ろうとした。

妃羽「何にも無いです。ここふかふかして良かったから・・・
この図鑑も面白い」
寝起きで寝ぼけながら言う彼女。

慌てて部屋を見てみると、本が見事に散乱しまくっていることに驚く暘谷。



暘谷「なんで、、俺のパジャマ着てんの・・・」

妃羽「あーこれ。何となく・・・駄目ですかね」
(↑防衛対策のつもりだった)


数分後。


少し泣きべそをかいて自室に戻る妃羽だ。

しくしく
「殴ることないのにー。グーで殴ったー」

何となく、さぁお風呂に入りに行こうとして出掛けたけど銭湯が閉まってた、、みたいな感覚になる。

ふかふかしてて気持ち良かったのに。
どうしてベッドの質がこんなに違うんだろう・・・
と悲しくなってくる妃羽。


エコノミークラス(暘谷と比べて)の部屋に戻り、ベッドに入ってゆく。


「・・・タイミング、ずれたな・・・」
とても疲れる暘谷。


 

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